【マギ】ニート、異世界に召喚されました。

26＃率直に申し上げます ページ27

「私は煌帝国第二皇子、練 紅明と申します。
今日は我が国の神官の我儘を聞くため、無礼を承知で侵入させていただきました」


皇子と名乗った紅明さんは、ワザと”我儘”という言葉を大きな声で言い放った。


「ハ？我儘じゃねぇ、前からの約束事だ」


それに反論するジュダル。


「ジュダル、あなたは少し黙りなさい。シンドバッド王を説得するためにわざわざ私を部屋から引っ張りだしてきて……まだ読書中、しかもちょうど良い展開のところを…」

「だってよー紅明。ルフを見る限り、バカ殿はアレルのこと気に入ってるみてぇだし、俺の言葉でどうにかなるもんじゃねえんだよ。…俺がバカ殿に戦争仕掛けたらまーた紅炎に叱られる羽目になるだろうしな。

そこでオマエお得意の口八丁の出番ってワケだ」

「人を都合のいいように使って……はあ、責任はすべてあなたが負ってくださいね」


深くため息をつきながらも了承する第二皇子様。目の下には濃い隈があり、己の存在を強く主張している。あちらはあちらで苦労しているようだ。…主にジュダルのせいで。

「では」
と皇子さまは王に交渉を始めた。


「シンドバッド王、率直に申し上げます。アレルさんを下さい」
「ダメだ。やらん」


ちょっと待て。何だ、今のふざけた茶番。

聞きようによってはアレだよ？彼氏の「娘さんをボクに下さい！」に対して父が「娘はやらん！」って返したような風景が見えたんだけど気のせいか？大丈夫なのか皇子様は。


「え〜アレルくれねぇのかよー」


おもちゃをねだる子供みたいなこと言ってる場合じゃないぞ、ジュダル。

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