検索窓
今日:14 hit、昨日:0 hit、合計:41,108 hit

12#あなたは我々の ページ13

この世界に来てからずっと、関わる人すべてに大切にされてるなとか、想われてるなとか。色々考えさせられてしまう。嗚呼、どうしようもなく、

『自惚れちゃうなー』
「先程も言ったではありませんか。あなたは我々の”特別”です__」

たおやかに微笑む隣の彼。呟いたつもりの言葉は足音で消されると思いきや、しっかり耳に届いていたようで。私に返事をする隙を与えず、たたみかけるように続く彼の言葉。

「存分に自惚れて、”私に”守らせてください」

一部だけをやけに強調され、私は少しドキリとした。まただ。昨日もこんなことがあった気がする。

「さあ、着きましたよアレルさん」

目の前に立ちはだかる壁のような扉は、当然のことながら他の扉とは大きさも品も違いすぎて、一目見ただけで誰の部屋かわかってしまう。否、わからせる。

明らかにカクが違う、王様のお部屋にご到着_

*

王の部屋に入った途端目にしたのは、満漢全席を思わせる料理の数々。気品漂う雰囲気に、私はきゅっと唇を結ぶ。

「おはよう、お嬢さん」
『あっ。おはようございます』

主役の席__いわゆる誕生日席に座るシンドバッド王は、開口一番まろやかな微笑みを添えてそう言った。それを合図に、すでに揃っていたジャーファルさん以外の八人将と挨拶を交わす。

「アレルさまはこちらの席にどうぞ」

女官に誘導され座った椅子は、王と対になる位置に存在する主役の席。この席は全員の顔を見ることができ、尚且つ全員に自分の顔を見られるということでもある。ので、地味に緊張してしまう。

「いただきます」

王の一言で会食は始まる。…ジャーファルさんは”特別”だと言ってくれたが、やはり私がここにいるのは場違いなんじゃないだろうか。

ぱくり
そんな思いを消すかのように私は食事を口に運ぶ。
あ、美味しい。

「お嬢さん、料理は気に入ってもらえたかな?」

お酒を片手に話しかけてきた王様。とても絵になる。

『はい。まさかこんな美味しい食事を朝から頂けるなんて…』

「ははっ、それはよかった__さて、いきなりだが本題に入ろうか。お嬢さんはこの国で何かやりたいことはあるかい?」

優雅に座る王は、まるで品定めでもするかのように私を見詰める。

…正直なことを言うなら働きたくない。ニートを続けてきたせいでそれが当たり前になってしまった。けれど、住まわせてもらっている以上何もしないというのも気が重い。

13#賛成意見多数により→←11#まだ寝させてよお母さん



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (53 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
69人がお気に入り
設定タグ:マギ , シンドリア
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

冷水 - 完結おめでとうございます!終わってしまったのは寂しいですが、新作を楽しみに待ってます!これからも頑張ってください!! (2017年8月4日 14時) (レス) id: f2eb36356b (このIDを非表示/違反報告)
茶零 - 始めまして茶零、【されい】と言います。夢小説は書いていませんが、拝見させて頂きました。続きを楽しみに待っています。 (2017年7月20日 16時) (レス) id: 8e05751a55 (このIDを非表示/違反報告)
ひつぎ(プロフ) - スノーだるまさん» いえいえ!お役に立てて良かったです!コメントありがとうございました!! (2017年5月8日 17時) (レス) id: e51d76d422 (このIDを非表示/違反報告)
スノーだるま(プロフ) - ルフの属性紹介ありがとうございます!参考になりました! (2017年5月8日 6時) (レス) id: 1023204a37 (このIDを非表示/違反報告)
ひつぎ(プロフ) - ぱふぃさん» ぱふぃさん初めまして!わわ、私なんかに身に余るお言葉を下さるなんて…!ありがとうございます!(*´∇`*)更新がんばりますね!コメントありがとうございました!(≧▽≦) (2017年4月9日 19時) (レス) id: e51d76d422 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2017年1月6日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。