FourthData ページ5
いや、そんなさぞ知ってて当然みたいな言い方されても知らねぇし。
ってかモンスターってなんぞ。
二次元かよ。
そんな風に現実から目を背けたかったが目の前にいるのはどこからどう見ても人間には見えないモンスター(暫定)の姿。
認めるしかないじゃないかよ!!
「あ、ああ、知らなかった。俺も、モンスターを見るのは初めてだ」
「ホント?キミってば、少しも驚かないから何度か見たことあったのかと思ったよ」
「それは君が天使に見えたからであって……」
「またその話?キミって変わってるね」
ケラケラと笑いながら、包帯を伸ばしていく。
どうやら治療を始めるらしい。
正直に言って、自分でも出来るが可愛い子に治療されたいから何も言わないでおこう。
多少は不安だが、大丈夫だろ。うん。
しかし、まさかモンスターの世界とは……。
もしかすると、俺は二次元にトリップでもしてしまったんだろうか?
なんて。んなわけないよな。
「そういえば、キミの名前は何て言うの?」
「ん?俺?Sophiaだけど」
「Sophia……Sophia、いい名前だね」
「お、おう。ありがと」
そんな純粋ピュアな笑顔見せられたら汚い俺が消えていきそうな気がするからコッチ見ないでお願いだから!
「君は何て名前なんだ?」
「Asrielだよ」
「Asrielか。君にピッタリの名前だな」
「えっ、あ、ありがとう」
そんな風に言われると思わなかったと言うように顔をAsrielは赤く染めた。可愛すぎか。
自己紹介をしているうちに、包帯は巻き終わったようだ。
真っ白な包帯に赤い血が滲んでいる。
……これ、大丈夫?
「うん、出来た!これで安心だね!」
満足げに頷いてるAsrielに大丈夫なのかなんて聞けるわけがなかった。
「ありがとな、Asriel」
「どういたしまして!困ったときはお互い様だよ!」
そう言って笑顔を浮かべたAsrielは……うん。可愛い。
「それじゃあ、治療も終わったし、行こうか!」
Asrielが楽しそうに俺の手を取る。
手を引かれて立ち上がると、Asrielの方が少し背が高いことに気付いた。
「行く……って、どこへ?」
「決まってるでしょ?ボクの家だよ!」
果たしていつ決まったんだろうか?
俺の手を掴んだまま、Asrielは走り出す。
「Sophiaは地底世界に来たのは初めてなんだよね?ボクが案内してあげるよ!
だけど先ずは、案内して来るってママに伝えなきゃいけないから!」
目をキラキラと輝かせながら笑うAsrielは、とても可愛いくて、それでいて凄く眩しく見えた。
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作者名:沙都 | 作成日時:2018年9月13日 16時