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雅「とっても綺麗。」
ドレスを見に纏った私を見て
雅さんは嬉しそうに笑う。
あの事故から、
特に後遺症も残らず順調に回復した彼女は
もう既に仕事に復帰して
また忙しい生活を送っている。
未央とドレスを買って帰った日、
たまたま雅さんが家に早く帰っていて
雅「そのドレスどこに着てくの？」
そう尋ねられたから、
友達の誕生日パーティー用だと伝えると
雅「あら、いいわね。」
目を細めて綺麗に笑う雅さん。
雅「もし、よかったらだけど
その日、私にヘアアレンジやらせてくれない？」
私が首を縦に振ると
こういうの夢だったの、
すごく嬉しそうにそう言うから、
私も少し嬉しくなった。
鏡越しの雅さんが
器用な手つきで私の髪の毛をアップにしていく。
「昔、美容師目指してたとか？」
彼女があまりにも上手だから、
将来の夢が美容系の職業だったのかな？
なんて思ったりした。
でも、
雅「わたし、赤ちゃんが出来ない体質なの。」
帰ってきたのは、
全く考えもしなかった言葉で、
雅「二十歳になったぐらいの頃にね、
お医者さんにそう言われたの。
昔からヘアアレンジとか得意な方で、
いつか自分の娘にやってあげたいなって
そういう夢があったんだけど、
お医者さんの言葉を聞いた時
その夢は諦めるしかないと思った。
けど、
こうしてAちゃんが
私の夢を叶えてくれてる。
わたし、本当に嬉しいの。」
悲しいことを話してたはずなのに
目の前の雅さんは
少女のように無邪気な笑顔で笑う。
なんでだろう。
彼女はとても嬉しそうに私を見つめてる。
「雅さんにとって
私は迷惑になってないの？」
昔から
知りたくて
でも聞けなかった質問。
雅さんの表情を見ていたら
自然に口から出てしまっていた。
雅「わたし、
Aちゃんのこと、大好きよ？
大切な、大切な姪っ子だもの。
貴女の叔母でよかった。
心からそう思ってるわ。」
鏡越しに目線を重ねて
私のことが愛おしいと伝えるような
そんな笑顔で笑うから
幸せの涙が一滴、
私の目から溢れて
雅「あらあら、メイクがとれちゃうわよ。」
そう心配する彼女に
思いきり抱きついた。
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作者名：Kipi
| 作成日時：2019年1月7日 9時
