Una rosa roja - SHO - (ページ46)

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崩れたメイクを直した後、

雅さんが貸してくれた黒色の鞄を持って
家を出る。

今日はきっといい日になる。

そんな、予感がする。

マンションを降りると、

「A。」

入り口前で待っていてくれた廉くんは

いつもの制服とはちがう

お洒落な少しラフな白ワイシャツに
下は黒いタキシードズボンを履いていて

いつもよりもっと魅力的に見えた。

でも、なぜか私のドレスを見て困った顔をする。

「似合って、ない？」

やめとけばよかったかな、
こんな目立つ色。

でもこのドレスが
私の目を惹きつけて離さなかったの。

突然、

小さく息を吸った廉くんは

廉「すっごい綺麗やで、A。」

表情を変えて、

私の目を見つめて真剣にそう言うから

身体が火照って熱くなる。

今、私、

廉くんにドキドキしてる。

廉「行くで。

海人のお母さんが迎えに来てくれとる。」

私の照れた顔を見て
満足気な顔をした彼は、

マンションの前に止まる車を指しながら
私の手を引く。

今日は、

何かがいつもと違う。

「ちょっと待って」

目の前の彼の手を引いて、

頬にそっとキスを落とした。

「今日、とってもかっこいいよ、

廉。」

今まで歩み寄れなかった

彼との心の距離を

大きく一歩近づけてみる。

どうかこの高鳴りが消えませんように。

本物で、ありますように。

そう願いながら。

目を見開いて

廉「反則や。」

私を睨んでそう言う彼は

耳を赤くしてて、

やっぱり今日はいい日だと思った。

胸がこんなにもあったかいのは久しぶりだ。