Una rosa roja - SHO - (ページ44)

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未「どんなのにするか決めた？」

海人くんの誕生日会の三日前、

ドレスが売っている店に向かう途中、

口元を緩ませながらそう言う未央は

今にもスキップを始めるんじゃないかってくらい
うきうきしてた。

未央の彼氏が、海人くんの友達らしくて

彼女もパーティーに参加するって言うから、

それなら一緒にドレスを買おうって流れに。

ドレス選びなんて初めてだなあ。

まあ、ドレスって言っても

お姫様が着るようなやつじゃなくて

所謂(いわゆる)、お食事会パーティーで着るような、
カジュアルなドレスなんだけど。

未「可愛いって褒めてくれるといいなあ。」

そう呟く彼女は

恋する女の子の顔をしてて

本当に素敵だと思った。

私がドレスを着た姿を一番に見せたいのは

誰だろうか。

「私も、廉くんに褒めてもらえるといいな。」

私はそう言って

頭に浮かんできたもう一人の彼を

必死に脳内から消す。

この前、教室で尋ねた質問に

未「好きってなんだろうって、急にどうしたの？笑

んー、なんだろう。

人それぞれ違うとは思うけど、

私にとっては、

苦しくて切なくて

でも、

その何倍も何倍も

幸せなもの、かな。

その人と一緒にいる自分が

一番好きな自分だって言える、

そういうのが

好き、なんじゃない？」

なんか恥ずかしいね、といいながら

そう答えた未央。

彼女の澄みきった瞳は

今の私には
なぜかすごく眩しくて、

一瞬、目眩を感じた。

' 好き ' ってとっても難しい。

でも、また誰かを好きになりたい。

いま私を想ってくれている彼、

廉くんと

幸せになる未来を

頭の中で少しだけ思い描く。

胸の奥の方が

カタカタと音を立てて

ほんの少し心をチクッと刺したのは

きっと何かの間違い。