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日常 ページ2

NO side
 
 
 
中島の孤児院の院長が死んだ翌日。
まだ微かに赤く腫れた目をしたまま、彼は泉と共に出勤した。

「「おはようございます」」
「ああ、おはよう」

返事をしたのは、既に到着していた国木田だった。
中島は、もう仕事を始めている彼と会話を進める。

「その……昨日は戻るのが遅くなってしまって、すみませんでした」
「あのときも云っただろ。誰しも──」
「ふァ〜〜あ。……おや敦、まだ目ェ腫れてるじゃないか?」

国木田の言葉を遮るように、出勤してきた与謝野が尋ねる。
それに対して暫くペタペタと自分の目の周りを触る中島だったが、急に背筋を伸ばして二人に向き合う。
ソファに座っていた泉も、何かを感じとったのかじっと見つめている

「そ……その!こんなヘタレで役立たずな僕ですが……!」

少し俯き、目をぎゅっと瞑って話し始める。

「探偵社のためにこれからも頑張るので!どうぞよろしくお願いします!」

腰を90度に曲げたまま動かない彼に、パラパラと拍手が送られる。
驚いて顔を上げた彼に、いつの間にか扉のところに立っていた社員たちも言葉を贈る。

「へー、じゃあこれからも名探偵である僕のために頑張ってねー」
「敦さんかっこいいです!やっぱり都会って凄い!」
「同じヘタレとして並べないよ」
「そうですわっ!でもそんな兄さまも好きですわ!」

……約一名違うことを云っている者もいるが。

そんな中、最初から居た三人はやっと口を開いた。

「いきなり何を云い出すかと思ったらねェ」
「まあ、社の看板を汚す事がないなら善いが」
「私も……頑張る……!」

佳い雰囲気が探偵社を包み込む。
その暖かく柔らかい空気は中島に笑みをもたらした。

「くっにきーだくぅーん‼今朝とっても佳い自 殺法を知ったのだよ!名付けて───」

場を見事にぶち壊し、尚且ついつもより早いが遅刻をしてきた彼は、やっと自分が白い目で見られている事に気付いた。

「ん?私が居ない間に何かあったのかい?」
「だ、ざ、い!貴様ァ‼何度云えば───」

説教をする国木田と聞いていない太宰。
医務室に行く与謝野と駄菓子の袋を開ける江戸川。
距離が近すぎる谷崎兄妹と依頼に出かける宮沢。

また始まった日常を噛みしめながら、中島は仕事に戻った。
 
 
 

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榎木 - こういう系とっても大好きです!更新頑張ってください!応援してます! (2019年3月28日 4時) (レス) id: f9fda80f93 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:fool | 作成日時:2018年2月24日 22時

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