45 -終(仮)- ページ45
次の電車までの時間なんてあっという間だった。
「 …あ、そろそろ行かなあかんな 」
「 ほんまや、 」
行こか〜、と立ち上がった丈くんにつられて私も立ち上がった。
来た道とはちょっと違う道から駅に向かう。
空はほとんど真っ暗だった。
「 さみ〜… 」
「 ほんまにね、そろそろ雪も降りそうやし 」
「 もう12月やもんな 」
駅までもう少し、同じ電車に乗って彼の降りる駅に着いたらバイバイ。
明日も会えるって分かってるのに、
この時間が終わってしまうのが寂しく感じた。
「 …あ！ 」
憂鬱な気持ちを隠すように俯いて歩いていると、隣から突然大きな声が聞こえて。
横を見上げるとやっば！なんてテンションが高い彼に首を傾げた。
「 話してたから雪降ってきたやん！ 」
「 …えっ、 」
ほら、と丈くんが指差す空へ顔を向けた。
はらはらと、ゆっくり舞い降りてきたのは白い雪。
今年、最初の雪だった。
「 …雪や 」
「 どーりで寒いわけ 」
空へ向かっていた丈くんの腕が下された。
その時、不意に触れた手。
びくっ、と丈くんの手が跳ねて、
それに私もびっくりして。
「 ごめっ、 」
「 ううん…っ 」
丈くんをちらり見上げると、ちょうど目が合って逸らせなくなる。
ああ、きっと私の顔真っ赤や。恥ずかしい、
そんな思いを頭に巡らせていると
私の手の甲に、彼の手の甲がもう一度触れた。
「 …っあー、分からへんっ！ 」
クシャっと、前髪をかきあげて少しだけ見えた彼の耳は紅くて。
「 …手 」
小さい声で、その言葉が聞こえた。
気付いたら私の左手に感じた温もり。
大きな、丈くんの手が私の手を包み込む。
「 ………行こか 」
やんわり掴まれていた手に、ギュッと力がこもった。
…あ、私丈くんと手繋いでるんや。
ドキドキうるさい心臓のせいで周りの音なんて消えなかった。
駅に着いても離れないその手が嬉しかった。
「 ……Aさん 」
「 …ん？ 」
駅にアナウンスが鳴り響いた。
それに被る彼の声が聞き辛くて、顔を寄せると私の耳元で囁いた。
「 俺、これからちゃんとするから、 」
「 …え？ 」
「 ……大好き、 」
ー だから、こんな俺でもいいですか
耳が熱い。
私を捉えた丈くんの瞳に、動けなくなる。
掠れた声で、うん、と呟いた。
笑う丈くん。
そんな彼に応えるように、
ぎゅうっと強く彼の手を握りしめた。
ー Fin.
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ナナセ。(プロフ) - ぴっぴ。さん» はい、これからの末澤と丈のやり取りにも注目していただければ！笑、楽しく読んでいただけるのが一番なので嬉しいですありがとうございます！ (2016年11月7日 12時) (
レス) id: a957d409db (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ。(プロフ) - あおいさん» ありがとうございます！これからもよろしくお願いします (2016年11月7日 12時) (レス) id: a957d409db (このIDを非表示/違反報告)
ぴっぴ。(プロフ) - きた、軽めの修羅場。読みやすくて楽しくてドキドキして楽しい時間をありがとうございます！ (2016年11月6日 21時) (レス) id: 0a7361f8aa (このIDを非表示/違反報告)
あおい - すごく面白いです! 丈、想像するだけで可愛い(笑) メンバーも最高だし、この作品大好きになりました! 私、関ジュ(特にFunky8)が大好きなので、ナナセさんの作品大好きです! これからも、頑張ってください!! (2016年11月6日 15時) (レス) id: 5d4b534b2a (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ。(プロフ) - ぴっぴ。さん» ありがとうございます…！絶対可愛いですよねッ、6話目のポイントそこなので気付いていただけてめっちゃ嬉しいです！ (2016年11月2日 19時) (レス) id: a957d409db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナセ。
| 作成日時：2016年10月21日 9時
