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丈くんと仲良くなって、よく喋るようになったし、お昼休みは四人で過ごすようになった。
けど、特に何かあるわけでもなく。
「 はぁ… 」
「 なんやねんため息 」
「 もうちょっとでテストやん、ほんまに嫌! 」
お母さんに買い物を頼まれ、部活帰りの淳弥とバッタリ。嘆く私とは反対に、淳弥は余裕そうに笑った。
「 けど丈と勉強するんやろ?喜んでたで、アイツ 」
にやにやしながら私を覗いてくる淳弥。
「 …私やなくて淳弥に教えて貰えばええのにね 」
「 え? 」
「 丈くんと淳弥、同じクラスやん? 」
「 …昔から思ってたけどAってアホやんな 」
はあ、と眉を下げた彼はうっすら笑みを浮かべる。気が付けばもう家の近所に来ていた。
「 アホは無いわ 」
「 しゃーないやん、アホっていうより鈍感っていうか 」
AらしいっちゃAらしいねんけど、そう言って思いっきり私の髪を乱してくる。
「 うわっ、何すんねん! 」
「 ははっ、じゃあまた明日なー 」
大きく笑って、手を振りながら淳弥は歩いて行った。私の家からもうちょっと先に淳弥の家があって。
「 …意味分からへん 」
なんやかんやずっと一緒に居るなあ、なんて小さくなる淳弥の背中を見てそんなことを思った。
-
「 Aさん、おはよ 」
「 あっ、おはよう 」
淳弥と一緒に登校して教室の前に着くと、廊下の壁に寄りかかる丈くんがいた。
「 丈おはー、何や出待ち? 」
「 ちゃうわ! 」
「 ただの待ちか 」
「 うっさい、お前は教室入っとれ! 」
淳弥の背中を叩く丈くんはやっぱり朝から面白い。淳弥が教室に入るのを見て、また丈くんと目が合う。
「 …あ、前言ってた勉強のことなんやけど 」
「 ああ、その話ね!私はいつでもええよ 」
首をさすりながら躊躇う丈くんに首を傾げた。てっきり、放課後とかにテスト勉強するかと思ってた私に、小さい声で彼が言った。
「 土曜日、よかったら図書館行かへん? 」
「 …え? 」
びっくりして、思わず言葉が詰まった。
「 ふ、2人で? 」
「 …あ、うん、そのつもりやったんやけど、……嫌? 」
小さく笑う彼に首を横に振れば、よかった、って呟いて笑顔になる。
その笑顔に胸がキュンとして。
「 じゃあ、また連絡する 」
そう言って丈くんは教室の中に入って行った。
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ナナセ。(プロフ) - ぴっぴ。さん» はい、これからの末澤と丈のやり取りにも注目していただければ!笑、楽しく読んでいただけるのが一番なので嬉しいですありがとうございます! (2016年11月7日 12時) (レス) id: a957d409db (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ。(プロフ) - あおいさん» ありがとうございます!これからもよろしくお願いします (2016年11月7日 12時) (レス) id: a957d409db (このIDを非表示/違反報告)
ぴっぴ。(プロフ) - きた、軽めの修羅場。読みやすくて楽しくてドキドキして楽しい時間をありがとうございます! (2016年11月6日 21時) (レス) id: 0a7361f8aa (このIDを非表示/違反報告)
あおい - すごく面白いです! 丈、想像するだけで可愛い(笑) メンバーも最高だし、この作品大好きになりました! 私、関ジュ(特にFunky8)が大好きなので、ナナセさんの作品大好きです! これからも、頑張ってください!! (2016年11月6日 15時) (レス) id: 5d4b534b2a (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ。(プロフ) - ぴっぴ。さん» ありがとうございます…!絶対可愛いですよねッ、6話目のポイントそこなので気付いていただけてめっちゃ嬉しいです! (2016年11月2日 19時) (レス) id: a957d409db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナナセ。 | 作成日時:2016年10月21日 9時