再会 ページ5
大光が出るという対バンライブ当日。結局あれからあの人を見掛けることは無かった。そもそもどこの誰なのかも分からない状態だし、再会出来るなんて奇跡に等しい。
話したのだって一瞬だったけど、もう一度会いたいという気持ちは募っていくばかりだった。
「次か〜」
「7MEN侍だったよね、どんな感じなんだろ」
「あ、大光出てきた」
さっきまで歌を披露していたバンドが掃け、次のバンドが始まるまで20分ほど休憩。そさくさとドラムをチューニングし、周りのメンバーと合わせたり他の機材を用意したり忙しそうだ。
「ねえ、ちょっとイケメン多くない？」
「そう？」
友達は早速イケメンを見つけたそう。あの人！と熱視線を向けている方を見るとおめめパッチリの男の人がギターを持ってお手振りタイム。「れいあく〜ん！」と女の子達の黄色い声が上がる。女性人気高。
いつもの光景なのか、メンバー達は彼を茶化さず各自で自由に行動していて笑ってしまった。スルースキル高めなんだね。
「あれ、5人？7 MEN 侍って6人て聞いてたんだけど」
友達にそう言われ数えてみると、確かに5人しか居ない。1人休みかな、なんて友達と話しているとフラ〜ッと誰かがステージの上を通った。
少し猫背気味の彼は前髪が重たくて表情は伺えない。バンドTシャツにジーンズのラフな服装でスタッフさんと見間違えられそう。彼は静かに立てかけられたベースの方へ向かい、手に取って、試しに一音鳴らす。太くて低い音が私のつま先から脳内を駆け巡って、頭の中で細かく揺れた。まるで地響き。その音に薄ら微笑むとステージに背を向けてメンバーと話しだした。
あの人だ。
綺麗な月を見上げた夜、おじさんに絡まれた私を助けてくれた彼。終電前だったのに、それを気にすることなく私の手を取って明るい方へ連れ出した。ステージ上に居る彼はただの親切の類に分けられているだろうけど、自分でも困惑するほどあの時の優しさが沁みていて。
もう一度あの素敵な笑顔を見てみたい、と強く思った。笑顔を浮かべる相手が私であって欲しい、とも。
それは日を追う事に強くなって、目の前に現れた瞬間爆発した。感じたことの無い胸の高鳴りに体がついていかない。一目惚れというのは、こういう感覚なんだろうか。
「夢に見るまで恋焦がれてたってこと･･････」
朦朧とした感情は、再び『恋』という形になって私の前にはっきりとした姿を表していた。
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しあわせならあくしゅしよ(プロフ) - ☆さん» （ ; ; ）ありがとうございます！お待たせしてしま申し訳ないです、書く気力がじわじわ戻りつつあるので最後まで楽しんでいただければと思います･･････‼️ (11月1日 19時) (
レス) id: 8632b5f5bd (このIDを非表示/違反報告)
☆(プロフ) - すごく好きなお話です！更新楽しみにしてます💖 (10月30日 2時) (レス) id: 576c521bf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うみ | 作成日時：2023年7月23日 21時
