戸惑い ページ33
翔「…これが俺の過去
引いたでしょ？」
そう明るく言う櫻井さん
しかし、言葉とは反対に私の洋服の一部を握る手が小刻みに震えており、
私達に話している間どれだけ怖かったが手に取るように感じた
和也「…もしかして、翔さんが少し前に言っていた人混みが苦手な理由って…」
翔「ふふ、そう。この過去が原因。
人混みにいるとさ、息苦しいだけじゃなくて周りの人が俺のことを変な目で見ているような気がするし、その人達が俺の悪口を言っているように聞こえるの
これは幻だって何度も言い聞かせているんだけど、
思えば思うほど身体は正直で、過呼吸は起きるし倒れそうになる
そうなるとさ、この場から消えたくなる衝動が抑えられなくなって死にたくなる
…だから、自分から進んでは人混みになるところへ行かないんだよね」
…知らなかった
彼がそのような理由で人混みが苦手なんて
あれ？ちょっと待って
もしかして…
A「…櫻井さん、ちょっと確認していいですか？」
翔「何？」
A「最初の頃、私達が動物園と遊園地へ行くために乗った電車とバスは行きも帰りも混んでいました
もしかして、その時無理してました？」
私がそう言うと図星なのか
一瞬彼の身体が固まった
A「申し訳ありませんでした！何も知らなかったとはいえ、もっとよく考えるべきでした」
翔「謝らないでよ」
A「ですが」
翔「大家さんが謝っちゃったら、その日雅紀が君を受け入れた事実はどうなるの？
雅紀は人見知りだったから、初めての人と二人きりになるのはとても勇気がいったと思う
だから、俺なんかのために謝らないで？」
A「“なんか”って…私にとっては櫻井さんも大切な人の一人です」
翔「ふふ、それを言ってくれるだけでも嬉しいよ」
A「櫻井さん…」
翔「それに、隣には智くんがずっと側にいてくれてたから不思議と平気だった
だから、謝らなくていいよ？」
あ、そういえば大野さんとじいちゃんだけ唯一彼の過去を知っていたんだっけ？
ちらっと大野さんの方を見ると、彼も私の方を見ていて気まずそうに苦笑いしていた
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うめパンダ(プロフ) - ゆーかさん» ありがとうございます(*^ー^)ノ♪不定期更新になってしまいますが、応援よろしくお願いします！ (2021年8月5日 8時) (
レス) id: a1376d4518 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーか(プロフ) - 初見です！今日この小説を見つけて一気にここまで読んでしまいました笑この先が凄く気になります！これからも頑張って下さい！！ (2021年8月4日 17時) (レス) id: 8f1f91b32d (このIDを非表示/違反報告)
うめパンダ(プロフ) - 名無し56631号さん» ありがとうございます(*￣∇￣*)そう言っていただけると嬉しいです！ (2021年7月27日 18時) (レス) id: a1376d4518 (このIDを非表示/違反報告)
名無し56631号(プロフ) - 最近読み始めました！！とても面白いです…更新楽しみにしています (2021年7月27日 9時) (レス) id: 2035d75108 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うめパンダ | 作成日時：2021年7月12日 23時
