324 翔side ページ41
いや、そんなわけない。幻聴だ
皆に会いたすぎて耳がおかしくなったんだ
第一、皆俺の家を知っているわけ…
雅紀「翔ちゃん、お願い開けて！」
和也「返事してください、翔さん！」
潤「翔さん…俺たちのことを嫌いになったなら、それでいい。だけど、顔見せて！俺たちを安心させて！」
悲しみが入り交じった声で叫ぶ3人
本人だよな…
でも、俺はドアを開ける勇気がない。
もし、開けてその先には皆ではなく記者だったら…それこそ本当に死にたくなる
そう思っていると、ドアの外の空気が変わったのが分かった
そして、誰かが俺の部屋のドアにもたれ掛かった音がし、ずるずると座り込むのが分かった
智「翔くん、おいら達に会いたくないなら…喋りたくないならそれで構わない。でも、それは今から話すことを聞いてから判断してくれないかな？」
話？
でも、近くに記者がいるんじゃ…
和也「安心してください、大野さんが追っ払いましたから」
雅紀「ね？これ以上居座ると貴方達の会社に報告して場合によっては何ちゃらって罪で令状出しますよーって」
潤「俺たち、今謹慎処分中なのに…へたしたら俺たちが権力を振りかざして脅迫したって訴えられてもおかしくないのによー」
智「ちょっと！ごめんって〜」
ふふ、見たかったな。その時の智くんのかっこいい姿
…それに引き替え、俺はこんなダメダメで…
決めた。俺も皆に向き合いたい
そう決意した俺は、布団から出て玄関に近づき
智くんたちみたいに玄関のドアにもたれ掛かり、その場に座りこんだ
翔「…聞くよ、話」
智「翔くん？！」
翔「ただし、それには条件があるんだけど…」
潤「大丈夫、俺たちにできることなら…」
翔「ありがとう。俺、ちょっと今人に会うの怖くて…だから、ドア越しでもいい？話を聞くのは」
俺がそう言うと、ドア越しでも皆が戸惑っているのが分かる
翔「…ごめん、我が儘だよね」
雅紀「そんなことないよ」
翔「ううん、我が儘なの。今だって皆がここにいるのが信じられなくて…本当は俺の幻聴か、誰かが皆の声を使って俺を誘きだそうとしているんじゃって疑ってて…」
ごめん。
そう謝罪の言葉を口にしようとしたが、「バッカじゃないんですか」って声が聞こえてきた
和也「翔さん、まさか貴方が相葉さんよりバカになるとは思いませんでしたよ」
ニノ…
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作者名：うめパンダ | 作成日時：2020年1月24日 22時
