ARS課の事件簿最終章 (ページ2)

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285 彼等の正体翔side ページ2

翔「止めろ！」
A「どうする？
私達だってね、色々覚悟はしてんだよ？」

“覚悟”
その言葉は、彼等がこの事件を遊び半分で行ったわけではないことが窺えた
俺は、その問いに「聞きます」と何度も頷くことしかできなかった…

A「ふふ、質問に答えるね？順番に…と言いたいところだけど、
多分私と彼の関係を話してからの方が入りやすいから、そっちから話すね？」

そう言うとAは、「優ちゃんからどうぞ」と田原に促した

田原「えっと、まず僕は貴方も分かっている通り、捜査一課刑事殺人事件の容疑者として逮捕された山本清司の息子の山本優一です。」
A「そして、私はその事件の被害者の成田浩二の娘の成田Aです」

……は？
俺は耳を疑った
Aがあの事件の被害者家族？！
だとしたら疑問が出てくる

A「あ、何で容疑者家族と被害者家族が一緒にいるのか？って言いたいんでしょ！」
田原「簡単に言うと、僕たち元々幼馴染みなんですよ」

あぁ、なるほどね。
だからAが田原のことを“優ちゃん”と親しげに呼んでいたのか…

翔「じゃあ君達はなぜ…」

A「…私たちね、小さい頃はたくさん遊んだんだ」
田原「僕たちはどちらも外で泥だらけに遊ぶタイプじゃなくて、
部屋の中でお絵かきしたり、一緒に絵本読んだりっていう中で遊ぶことがメインだったけど…
僕たちにとってとても充実していた」
A「小学校に上がってからもその関係は変わらなかった。
周りの子達に『付き合ってるの？』って冷やかされる時が何度かあったけど…私達は嫌な気がしなかった」

…え？

田原「お互い両想いだったんです。それに気づいたときは小学校2年生の時でした。恋愛ドラマみたいに、誰もいなくなった教室で僕から告白しました」
A「もちろん、私はOKの返事を出した。ませてるって思われるかもしれないけど、幼馴染みじゃなく、恋人として隣にいたいなって…」
田原「当時、僕は嬉しくて公園とか、親が同伴になっちゃうけど遊園地とか行きたいねってAちゃんと話していた。
…でもそれは叶うことはなかった。」

田原がそう言うと、2人は先程まで楽しそうに話していた表情から一変、鋭い目で俺を睨んだ

A「次の日私の父が殺されて…優ちゃんのお父さんが逮捕されたから全部が変わっちゃったんだよ！！」