君に夢中さ２ (ページ12)

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元太と別れて、最寄り駅で電車を降りて、そのままよく行く公園に向かう。

住宅街から少し距離がある小高い丘にある小さな公園で、さびれてるから人はまずいない。

でも都会と思えないくらい星がきれいに見えるところで。

落ち込んだとき、ここで星をぼうっと見ていると不思議と気分が落ち着く。

「…ちゃんと変装してください。こっちがハラハラしちゃいます。」

錆びたブランコに腰かけて感傷に浸っていたら、1番会いたかった子の声。

とうとう幻聴かと思って自分に呆れながら振り向いたら、紛れもないAの姿で。

驚いたと同時に謎の絶望感。

「…俺がアイドルだってこと、知ってたんだ。」

俺のことを深く聞いてこないからてっきり知らないで接してくれてると思ってたんだけどな。

心の中で「ジャニーズ」と遊ぶっていう一種のステータスを感じてたのかな。

だけど、ほんとにどうしようもない。

深く傷付いたのにそれよりも、

「…よかった。もう二度と会ってもらえないかと思ってた。」

なんて、安心感の方が勝つんだもん。

「なんでAちゃんがここにいるの？」

て聞くと、

「元太くんから聞きました。」

また心の中が絶望で真っ暗になる。

「…元太とも知り合いだったの？」

なんで元太がAのことを知ってるんだろう。

今まで一度も彼女の話をしたことなんてないのに。

信じたくない考えばっかり頭に浮かんできて。