君に夢中さ２ (ページ13)

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「もしかして、元太目当てで俺と仲良くなったとか…？」

Aとの出会いは偶然だと思ってたけど、これが仕組まれたものだとしたら。

もちろんファンの子には感謝してるけど、一部厄介な子たちが混じってるのも事実。

鍵を落としたのは事実だとしても、俺のこと気付いてて知らないフリすることだってあり得る。

「最初から俺のこと、気付いてたんだね。」
「で、本命は誰なの？元太？それとも今日一緒にいた男？」

「え、どうして…？」

「今日、元太と買い物しててさ。たまたま見ちゃったんだよね。親密そうだったから声掛けれなかったんだけど。でもまさか元太とも繋がってたなんてなあ。」

明らかに動揺した表情のA。

知りたいのに、答えを知るのが怖い。

あの男が本命だったとしても苦しいし、もし元太だったらもう何を信じていいのかわからない。

「…俺ばっかりこんなに夢中にさせられて。ほんとばかみたいだ。」

もう何もかもどうでもいい。

今までかっこ悪いとこは見せたくなくてかっこつけてたけど。

「…私に夢中でいてくれてるんですか？」

なんて、わかっててそんなこと言うなんてほんと悪い女。

「そうだよ。悪い？」

もうヤケになっていた。

しばらくして後ろから聞こえてくる笑い声。

「何がおもしろいの？」

無性に腹が立った。

人の気持ちを踏みにじっておいて。

俯いていた顔を上げてまっすぐにAの顔を見つめると。