影の妹がサッカーで世界を目指します part2

第56話です ページ7

〜夜〜



乃「…来てくれるかな……


まず誘えるかな……」



誘う相手は決まっていた



だけど、来てくれるかどうか……



乃(ううん…


きっと来てくれる)



私は携帯にある番号をかける



夏樹『もしもし


どうかした､乃愛?』



乃『…夏樹


私……誠凛 対 桐皇の試合を


観に行こうと思ってるんです


着いてきてくれませんか?』



すると､電話の向こうからため息が聞こえる



夏樹『……辛くなるかもよ?


悪いけど……確実に勝つって保証がない


何せあのキセキのエースが相手だしね


もしかしたら負けるって可能性もある


そこで､本当に


テツヤ先輩の心が折れるかもしれない


それでも行くの?』



試すように夏樹に聞かれる



けれど､私の心は決まっている



乃『その時は辛いと思います


だけど……逃げません


ですが､その時は肩は貸してくれますか?』



すると､夏樹が吹き出すように笑う



夏樹『ふふっ


当たり前じゃない!


……良いわよ､着いてく


他のメンバーも誘う?』



乃『お願いします』



夏樹『了解!


じゃあ､乃愛はその日練習だよね?


終わったら行こっか!』



乃『はい


……ありがとうございます､夏樹』



正直､行きたくないかもしれない



だから､感謝を込めてお礼を言う



夏樹『気にしないの


私もちょっと気になってたし……いい機会!


さてと､良い子は寝ましょうか〜』



乃『……子どもじゃないです』



子供扱いだったから､少しムッとした



夏樹『けど


良い感じにリラックスした声になった』



……本当にこのキャプテンには



たぶん勝てませんね



乃『ありがとうございます､夏樹


では､子どもなのでもう寝ますね』



少し嫌味みたいに返す



夏樹『ふふっゴメンって


じゃあおやすみ､乃愛』



乃『おやすみなさい』



私は携帯を閉じる



……勝ってくれると嬉しいんですけど



でも私は



一生懸命応援することしか出来ませんから……



乃(応援してますよ……兄さん


誠凛の先輩方……)

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