ep.19 ページ20
ニュートは黙って私の背中を摩ってくれた。
友達という存在に憧れていたけど、いざどういうふうに接したらいいのか、分からなかった。こんな事を言っていいのだろうか。ずっと悩んで一人で抱え込んで心配させてしまった。
『ごめんなさいっ……心配かけてっ…一人でどうにかなると思って頑張ってたの。でもっ……上手く出来なくてっ…もう、どうしたらいいか…っ』
「……」
ニュートは黙って私の言葉に耳を傾けていた
ゆっくりと背中を摩ってくれたお陰で徐々に落ち着きを取り戻してきた。落ち着けば、何とも恥ずかしいものだ。ニュートの前で子どものように泣きまくるなんて…。
「落ち着いた？」
『うん……本当にごめんなさい』
「気にしないで。そうだ…僕にやってる所見せて。頼りないかもしれないけど、何かお手伝いが出来るかもしれない」
そう言われニュートは羽根ペンを私に渡す
もう一度、床に置いて杖を振る
先程と同じで羽根ペンは少しだけ震える。私は同じ結果で大きなため息を吐く。
「動いているから魔法が使えてない訳じゃないね。あともう少しだ」
『………そうなのかな』
「自信持って。最初の頃よりは上手になっているよ。僕も最初は出来なかったから…」
『ニュートも練習したの？』
「うん、アレンに手伝って貰いながらね。そのお陰で今は出来るようになったから」
照れくさそうに笑うニュートを見て私も釣られて笑みを零す
「やっと、笑ってくれたね。ここ最近、ずっと厳しい顔してたから…安心した」
『わ、私、そんなに厳しい顔してた？』
「それはもう、アレンが近寄れない程、眉間にしわ寄せて怖い顔してたよ」
『っ…やだ、恥ずかしい…』
練習の事で頭いっぱいで周りが見えてなかった。
自分の額を触って皺が寄ってないか確認する
「ねえ、これからは僕も一緒に練習していい？ちょうど、今日習った魔法が出来なくて困ってたんだ」
『え、でも……いいのかな…』
「いいんだよ。僕が勝手にやってる事だから。Aは何も気にしないで」
優しく微笑んだニュートを見て胸が小さく高鳴った
なんだろう、この気持ち…。
気のせいだ。と気にしないようにした。
すると、時計台の階段から足音が聞こえてくる。
ニュートが私を庇うように前に立ち、警戒した
登ってきたのはアルバスだった。
「ダンブルドア先生…」
『アルバス……』
私は怒られるのを覚悟してニュートの背中から現れる
→
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 54人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Lia | 作成日時：2023年6月29日 19時
