30.ヒメガミサマ ページ32
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暗闇の中で男の声が…2人分響いている。
前に進もうとするが体が動かないし、
そもそもどうやってここに来たのかも覚えてない。
てかそもそもここドコ?
よく分かんないけど今は何も行動できない。
するとさっきまではボソボソとよく聞こえなかった男たちの声が聞き取れるようになり始めた。
「おい、聞いたか?俺たちに仕事が来たんだってよ。」
「本当か?からかわれてるんじゃないか?」 「証拠としてボスからのメールを見せられたから今回は本物だ。」
ボス…?この2人はマフィアなの?
「内容は?」
「ヒメガミサマの確保、引き渡しだそうだ。」
「その、ヒメガミサマってのは何だ?」
「俺も今回の仕事の説明で始めて知ったんだけどな、簡単に言うと座敷わらしみたいなもんだ。ヒメガミサマを愛してやれば、その家は栄える…が、ヒメガミサマを愛さなければ衰退し、傷つければドン底に、だそうだ。」
「…で?その迷信感のすごい話を信じてヒメガミサマとやらを捕らえろと?」
「まぁ【296】の裏部隊を駆り出すほどのことか?とは俺も思ったけどな。」
裏部隊…?
【296】にそんなのあったんだ。
「今回は引き渡す相手が今後このマフィアと対立するであろうマフィアに協力しているらしい。だからここで貸しを作り、こちら側へ寝返るように誘っているんだろうな。」
「てかそのヒメガミサマってのはどこにいるんだ?」
「遅真山って山の小屋で殺し屋とのんびり二人暮らししてるって話だ。」
え…?
おそま、やま…!?
「オソマヤマなぁ…聞いたことねぇ。」
「俺もだ、まぁとにかく娘を捕らえりゃいいんだよ。ボスもそのためなら何人でもヤレ、って言ってくれてるしな。」
「てか、さっきから気になってたんだけどよ?あっちから人の気配がしねぇか?」
「あぁ、俺も気になっていた。」
っ…こっちに、くる…!
・°*
「嬢、あそこの花に水をやって来てくれ。」
僕は子供の姿になっていた。
目の前にはおじさんがいて、僕を撫でている。
「うん、おじさん。」
僕は植木鉢へと駆けていき、気づく。
これは…あの日だ。
この後おじさんは…あの部屋で男たちに。
だめだ、おじさんを1人にしてはいけない。
だけれど体は悠々と植木鉢に水をやる。
僕の意思で動かすことはできない…?
嫌だ、このままではおじさんが、助けに、
だけど行ったところで助けられない、けど、
助けなきゃ、おじさん…!
銃声が響いた。
暖かいあの小屋一瞬にして消え、暗闇へと戻される…
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めーりん(プロフ) - 純さん» 有難うございます!( ´ ▽ ` )コメント頂くと更新せねば!ってなる私…笑 ちょっと今から更新してきます( ⊃˙-˙)⊃(ペン) (2017年12月21日 23時) (レス) id: 14a4a43ae4 (このIDを非表示/違反報告)
純 - カッコいい!!背景?もカッコいいですね! (2017年12月21日 23時) (レス) id: a26498a704 (このIDを非表示/違反報告)
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