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初めての嫉妬 ページ22

東矢と奏乃が話しながら歩いていた。

……その時だった。

「……東矢やー!」
「うおっ!?」
「えっ!?」

唐突に響いた女性の声と共に飛んできたのは真っ白な何か。
それは勢いよく東矢に抱きついた。

「お久し〜っ!」
「えっ、と……あっ美冬かよ!?」

その正体に気付き東矢が声を上げれば、嬉しそうに彼女が笑う。

「えっ、し、知り合いなんですか……?」
「せや!君とは初めましてやな!」

一旦彼女は東矢を解放し、名乗った。

「うちは氷河美冬!ヒーローネームは白雪やで!よろしゅうな!」
「……俺の腐れ縁の奴だ……」
「そうなんですね……わ、私は唐沢奏乃、ヒーローネームはシャイニーです」

少し引きつつも自己紹介する奏乃、そして面倒臭そうにため息をつく東矢。

そんな二人を知ってか知らずか、また東矢に抱きついて美冬は話し出す。

「東矢がヒーローになったのはうちが助けてからよな〜」
「はぁ……流石トップヒーローだとは思ったよ当時の俺は」

額を抑える東矢からするに、彼が美冬に助けられたのは本当なのだろう。

東矢の言う通り、白雪こと美冬はランキングトップでしのぎを削っているランカーヒーローである。

「そうなんですね……で、距離近くないですか?」

明らかに不機嫌そうにする奏乃に、やっと気付いたのか東矢を放す。

「あっ、すまんな、つい嬉しくて」
「あーやっと解放された……」

疲れたようにフラフラと奏乃に近付く東矢。
そんな彼を受け止めつつ、奏乃は美冬を睨み付ける。

「……草薙さんとどんな関係ですか」
「ん?いやいや、ただの知り合いで……あっ?」

……と、ここで何かに気付いたらしい美冬が一瞬硬直し、その直後ニマニマと笑い始めた。

「あー、あー! そういうことやんな〜!!」
「?何ですか?」
「ふふふ……じゃ、うちはとっとと退散させていただくわぁ」

何かを察した様子の美冬は奏乃の側を歩いていき、そして奏乃の耳元で囁いた。

「……東矢んこと、幸せにしてやってや」
「!?!?!?」

思いもよらぬ言葉に思わず顔を真っ赤にする奏乃。

そしてやっぱり何もわかっていない東矢であった。

奏乃と美冬→←奏乃の愚痴



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設定タグ:勇者 , ヒーロー   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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作者名:クロロフィル@深緑の指揮者 x他1人 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2023年3月8日 14時

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