奏乃の愚痴 ページ21
怪人を討伐し、“repair”で辺りを修復していく奏乃が一人呟いた
「……にしてもですよ」
「おうどうした奏乃」
「私に「シャイニー」なんて似合わないと思うんですよ」
「そうか?」
「煌々たる」「ぴかぴかと光る」などといった意味を持つシャイニーは、奏乃にはあまり似合わないという。
「だってそうじゃないですか。私に光属性要素あります?見るからに闇属性ですよね?」
「うーん……」
確かに、奏乃の顔には光が宿っていないし、目にはハイライトなんてない。
「やっぱシャイニーなんて私には不相応なんですよ」
「……そうか?俺は似合ってると思うんだが」
「……へ?」
不思議そうに、納得していないように東矢が呟いた。
「いや、奏乃は明るいだろ。」
「……まぁ、そうですけど……」
「……それに、奏乃は俺の光なんだ」
「えっ」
何の躊躇いもなく呟いた東矢に、思わず振り向いてしまう。
「奏乃がいるから、俺はヒーローとして折れずにやってけれてんだ。」
「え、えと……?」
「奏乃は俺の光なんだよ。例え奏乃がその気じゃなくてもな」
「ち、ちょっと……!」
顔を僅かに赤くする奏乃に気が付かず、東矢は続ける。
「奏乃、お前がいてくれて助かるんだ。ありがとな」
「う、ううううっ!ズルいですってぇ!」
「?」
顔を真っ赤にして叫ぶ奏乃。
その真意に気が付かずビックリして謝り出す東矢。
そうじゃないとため息を吐きながら顔を押さえる奏乃。
傍から見たらいちゃつくカップルにしか見えないその光景を、少し遠くから眺めていた一人の女性がいた。
肌白く華奢な見た目をした、白い着物の可憐な女性であった。
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作者名:クロロフィル@深緑の指揮者 x他1人 | 作者ホームページ:http
作成日時:2023年3月8日 14時