世間は勇者の目を見るか？ (ページ40)

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水流の脅威ページ40

｢っ、水……!?｣

何かが勢いよく流れてくる轟音に、小さな地下室が揺れる。

間違いない、こちらに流れてきている。

｢奏乃！柊真！｣
｢えっ!?｣
｢ぐっ、不味い……！｣

咄嗟に抜け出そうと試みるが、しかし間に合わない。

｢クソッ……！｣

圧倒的な勢いで雪崩れ込んでくる激流に、咄嗟に浮遊を試みるも無意味。

｢草薙さんっ！｣
｢があっ……！｣

駄目だ、押し流される。

あっという間に押し返され、先程の倉庫に押し込まれる。

｢なっ……？｣

荷物をも巻き込み、三人は部屋の更に奥まで押し込まれる。

｢穴っ!? どこに繋がってんだよ!?｣
｢駄目ですっ、逃げれなっ……！｣
｢喋るんじゃねえ！｣

酸素を無駄に消費するわけには行かない。
今はいざというときに備え耐えなくては。

何とかはぐれることなく移動は出来たものの、どんどんと奥へ奥へ、深くへと送り込まれる。

｢……っ、ふぅ……やっと終点か……｣

滝のように落ちる水から解放された先、広く真っ白な部屋に一同は放り出された。

｢……ようこそ、水の監獄に｣

そう冷徹に言い放ったのは、青い髪の少年。

そして、その背後には機械により構成されるシャチの姿があった。