厄災の目覚め ページ29
｢…ッ!?｣
｢っ、オシスト！｣
バリアを張った上で瞬間移動し、再びその地に舞い戻ってきた一同だったが、転移完了と同時にオシストが倒れた。
何故、と考える暇もなく、彼らは本能でその原因を察知した…
否、考える余地さえなかった。
彼らを包み込んだのは、先程の威圧感がちっぽけに思えるほど強烈な悪意と殺意の瘴気。
圧倒的な力を感じる底なしの闇。
その全てが、今眼前に迫っている危機を嫌でもかと感じさせる。
｢…これは…っ、想像以上、だな…！｣
｢まずいね…｣
｢くっ…｣
汗が滝のように流れて止まらない。
一体何が起こっているのか、一刻も早く突き詰めようと辺りを見渡せば、一面がどす黒い何かに覆われている。
そして、少し遠くに見えた巨大な影。
｢…ブラッド･ゴーレム…！いや、その上位種か…!?｣
その姿によく似た魔物のことを思い浮かべる東矢だが、あの魔物はもっと小さく、東矢の半分ほどだったはず。
しかし…
｢…デカすぎんだろ…そこらの山よりデカいぞ…｣
マールドの呟き通り、今目の前に存在している何かは明らかに大きすぎる。
遠めに見ても山と並ぶほどの凄まじい大きさ。
むしろなぜこんな大規模なものに今まで気づけなかったのかとマールドが自責の念に駆られる。
｢…いや、今は時間が惜しいから。マールドの責任でもないし。とにかく早く行こうよ｣
いつにもまして真剣な表情のフール。
いつもの馬鹿らしいおっとりした雰囲気とは大違いである。
｢…そう、だな。今はアイツを止めなきゃ、だもんな｣
｢あぁ！｣
マールドも立ち上がり、あの化け物を追おうと準備を整えるが…
ふと、マールドが後ろを向いた。
｢…オシスト、大丈夫か｣
｢…大丈、夫…では、っないです…すみません…｣
｢謝らなくていい。今は早く帰っていざという時の為に準備を｣
｢っ…は、はい…！｣
何とか魔法を展開したオシストの体が光に包まれる。
｢…行くぞ｣
｢うん｣
｢おう！｣
どこかへと歩き出すそれを見据え、気合を高める三人だった。
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クロロフィル＠リーフィア狂/あるりーす(プロフ) - 朱欄さん» ありがとうございます！これからも更新頑張りますね！ (2023年1月14日 20時) (
レス) id: c1253398fc (このIDを非表示/違反報告)
朱欄(プロフ) - Banana is Kami(作品最高です!キャラデザがすごく好きです!特にワイドちゃんがかわいい←あ、星押しときますn(() (2023年1月14日 20時) (レス) @page3 id: efb6a7397d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロロフィル@深緑の指揮者 | 作者ホームページ：http
作成日時：2022年12月29日 21時
