新緑の使い手、パルデア地方へ (ページ15)

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学校へ！ページ15

｢…そうだ、灯台に上るって話はどうなった｣

ふと思い出したかのようにクロロが質問する。

｢…あっ｣
｢おい…｣

どうやらすっかり忘れていたらしいネモに溜息をつく。

｢ごめんって…とりあえず上ろうよ！ちゃんと見とかないと！｣
｢まぁそうだよな…｣

灯台の中から梯子を上っていく。

｢おっけついた…って大丈夫か？｣

先に上ったクロロが下を見れば…

｢…大っ…丈夫…だから…｣
｢いや大丈夫じゃないだろそれ｣

やや息を乱しながらなんとか上るネモの姿であった。

｢大丈夫かお前｣
｢ぜぇ…いや…ごめん…｣
｢あーそうかいいとこの嬢だから体力ねぇのか｣
｢…｣

…視線が逸らされる。
どうやら図星らしい。

｢はぁ…｣
｢ごめんって…それよりほら！ここからなら綺麗に見える！｣

そう言って指さされた先には、大きな大きな学園の姿があった。
パルデア一大きな大都市、テーブルシティの北に聳え立つ、立派で巨大な学園。
それが、グレープアカデミーだ。

｢おぉ、でけぇ｣
｢でしょ！パルデア一番の名門校なんだよ！｣
｢そうか…じゃ、早速行くか！｣
｢えっ…と…ちょっと…先行ってて…｣

…どうやらまだ体力が回復しきっていないらしい。

｢大丈夫か…？｣
｢うん…ポケモンに乗っていけばすぐだから…クロロは一人でもきっと大丈夫…｣
｢お、おう…じゃ、先行ってるぞ！｣
｢頑張って…！｣

ネモを置いて灯台を降り、アカデミーへと続く道路へと駆ける。

｢ふぃ｣
｢ん、どうしたリーファ｣

ふとボールから出てきたリーファが並走する。
普段よりもやや抑えられたその足の運びはそれでもクロロより速く大地を駆け、簡単に追い抜かしていく。

クロロの先に落ちていた何か目掛けて。

｢ふぃーあ｣
｢ん、拾ってきてくれたのか。偉いな！｣
｢ふぃっ！｣

拾ってきたのは傷薬。その名の通りポケモンの傷を癒す薬だ。

リーファを褒めつつ頭を撫でてやれば、気持ちよさそうに目を細める。

｢…うし！先行くぞ！｣
｢ふぃー｣

ひとしきり撫でて再び走り出す。
学園への道のりは、まだまだ遠い。