不死鳥で独占欲の強い彼とオタクで冴えない彼女は：番外編 4

狂う 13 ページ25

イゾウ隊長もその気配を察したようで
し、と人差し指を私の唇に当てる


獣の気配は、ゆっくりと扉を開けて
書庫の中に歩みを進めて
私たちの前に姿を見せた

・・・や、やっぱり・・


「マルコ、隊長・・・ッ」


「・・・こりゃ、珍しい組み合わせだな
邪魔したかよぃ」


「え、えーっと・・!」


困っていると、すぐに
イゾウ隊長が助けてくれた


「あぁ、邪魔されたなァ
せっかく可愛い妹と談笑していたのに
・・・・な?」


「・・・うんうん、ほんとそれー
まじマルコ隊長空気ヨメナーイ!!」


イゾウ隊長に合わせて、言葉を選ぶと
マルコ隊長は少し殺気を緩めてくれた
彼はすぐ手前にあった本棚から
一冊の本を手に取ると
ドアノブに手をかけて
振り向き際に、私たちに言った


「仕事はしろよぃ」


「へいへい・・・」


「はぁい!!」


良かった、行ってくれる・・・!
ほっと安心していると
イゾウ隊長が、そうだ、と声を上げた


「マルコ、一つ聞きたいんだが」


すると、マルコ隊長は
扉を半開きにしたまま
なんだ、と聞き返す

・・・ちょ、嫌な予感!!
それは、完全に当たってしまった


「もう一人、可愛い妹の姿が
全然見ないんだがよォ・・・
お前の部屋にいるんだってな?」


あ、や、やば
また、マルコ隊長の覇気が強まった
気絶、しそう〜〜!!


「Aなら、俺の部屋で
ゆっくり体を休ませてるんだよぃ
・・・邪魔するな、イゾウ」


「・・・邪魔なんて、とんでもない
妹が心配なだけさ」


「何も心配するこたぁねぇよぃ
食欲はあるし、よく寝てる」


私は思わず、後ろに後ずさって
イゾウ隊長の後ろに隠れた
するとイゾウ隊長は大笑いして


「そこじゃねぇよ、心配事は
・・・誰かさんが俺たちの妹を
独り占めしてるんじゃねぇかと思ってな」


い、言った、もう、駄目だ
ここで死ぬ覚悟を決めた後に
マルコ隊長が怖い声と表情で
こちらを睨んできて

そして気が付けば
イゾウ隊長は首を掴まれていた


「ッぐ・・・・!!」


「アイツは俺の宝だ
宝を独占して、何が悪い?」


「マ、マルコ隊長!!
やめて!!イゾウ隊長が死んじゃうよ!!」


私が必死に叫んで止めると
彼は舌打ちをして
イゾウ隊長を乱暴に離していた


「イゾウ隊長・・・!!」


「っは、あ、げほ、ゲホゲホっ・・・!」


「・・・・イゾウ・・
これで最後だ」


彼は、邪魔をするなと
強く静かに言い放つと

くるりと扉の方を向いて
スタスタと歩き、書庫を出た

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