不死鳥で独占欲の強い彼とオタクで冴えない彼女は：番外編 4

狂う 12 ページ24

私は早速ナース長に報告をしに
医務室の扉を乱暴に開けた


「ナース長!!」


「・・・・・何、よ」


「ギャーーー!
顔色わっるぅ!!」


医務室にいたナース長は
ぐったりと青ざめたまま
机に突っ伏して、何とかこうにか
薬の調合をフラフラと行っていた


「アンタほんとにうるさいわね・・」


「お腹痛いんですね!?
じゃあ休んでて下さいよぉ・・!」


ナース長の手から道具や薬を取り上げて
よっこいしょ、と彼女の体を支えながら
医務室を出て、私たちの部屋に運んだ


「ナース長今日は女の子の日でーす」


「了解!鉄分補給しておくね!」


「頼んだー!」


他のナースの子に
ナース長のことを任せて
ふぅ、と息をついて部屋を出た

・・・どうしよう、ナース長が
こんな状態じゃ・・マルコ隊長に
敵う相手なんて思いつかない・・・

親父に言った方がいいのかなぁ・・


「おや、珍しく考え込んでるじゃないか」


「イゾウ隊長・・・」


部屋の前で考え込んでいたら
イゾウ隊長が、声をかけてきてくれた


「ナース長はどうした?
お前さんは、いつも真っ先に
アイツに報告しに行くじゃないか」


「あー、実はねぇ
今日はナース長、女の子の日なんですー」


瞬間、イゾウ隊長に
べし、と頭を軽く引っ叩かれた


「いたぁい!」


「・・・・・お前という娘は・・ったく
そんなおっぴろげに話すんじゃないよ!」


「だ、だってぇ・・・」


「まったく・・・それで・・・
何か、面白いことでもあったのか?」


どうしよう、イゾウ隊長に相談する?
うーん、でもなんか・・この人・・・
面白がりそうな気がするんだよね・・

しばらく考え込んだ後
考えるのが面倒臭くなって


「よし、めんどくさい!
イゾウ隊長!ちょっとこっち来て!」


「はいはい・・・
その前にうちの隊に指示だけさせな」


もー−!!早くしてぇ!!



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とりあえず、この時間帯
誰も来ない書庫室に
イゾウ隊長と一緒に忍び込んだ


「それで、何があったんだい?」


「あ、あのねあのね!!
マルコ隊長がもうすっごい怖いの!!
なんか部屋に近づいただけで
覇気と殺気がボンバー!!!それでねぇ!!」


「ちょっと黙りな」


「いたぁい!!」


今度は額に軽くデコピンされて
大人しく私は痛がりながら黙る
するとイゾウ隊長は
フム、と声を出す


「・・・Aがマルコの部屋で
療養中だったよな・・・」


「そーそー!!
だから私・・Aが
閉じ込められて」


瞬時、扉の前から
殺気と、獣の気配がした

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