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ちびマルコ 25 ページ29

スープを飲み終わって
食器を机の上に片したまま
俺は彼女と話を続けた


「そっかぁ、確かに
親父が点滴つけてるの見ちゃうと
ちょっとショックですよね」


「でも、長生きしてるとこ見れたのは
嬉しかったよぃ
家族も、大分増えたみたいだし」


「どうやって増えていくかは
お楽しみですね!」


ふふふ、と彼女は頬を緩ませる
その笑顔が自分には魅力的に映って
ドキッと心臓が高鳴った
紛らわす様に、焦って彼女に
ずっと聞きたかったことを
聞いてしまった


「一つ、聞いてもいいか?」


「どうぞ、何なりと」


どうしよう、まだ
引き返せる気がするけど
ええい、聞いちまえ!


「俺の、どこに惚れたんだよぃ?」


「へぇっ!?
そ、そんなこと!
言わなくてもわかるでしょうに!」


「わ、分からねぇよぃっ」


彼女は顔を真っ赤にして
困ったなーと顔を両手で覆った
そして恥ずかしそうに答えてくれた


「え、えーと・・まず・・
カッコイイところ・・
顔と体つきが好きなんですよね・・
・・優しくて、ちょっと不器用で・・
たまに甘えてくるところも可愛くて・・」


「もももも、もういいよぃ!!」


思ったよりも
たくさん出てきそうだったので
強制的に話を遮った


「あ、あと、ちょっと強引なところも」


「いいって言ってるだろ!わざとかよぃ!」


「ふふふっ、ごめんなさい」


彼女は悪戯っぽく笑いながら
謝ってくる
くそう、からかわれている


「はい、マルコさんの番ですよ」


「えっ!?」


「私が話したんだから
マルコさんも話して下さいよ
お題は好きなタイプ!」


「好きなタイプ〜〜!?」


確かに一方的に自分から聞き出しておいて
自分の情報を出さないのは
狡いよな、と思って
う〜んと深く考え込む


「・・・・・」


「難しそうですね・・・
・・じゃあ今まで好きになった人って
どんな人ですか?」


「好きになった人・・」


真っ先にほわんと思い浮かんだのが
薙刀を振るう親父の姿だった


「親父・・・」


「ッッッんな!!
・・・敵いませんね、親父には・・」


「あ、分かったよぃ!
強い奴がタイプだよぃ!
あと懐が広くて、白い髭が生えてる」


「それ親父以外に
いないじゃないですかぁ」


「うん、今分かった
俺は親父がタイプだよぃ!」


「そ、そうですかぁ」


彼女は少し残念そうに肩を落とすが
納得した表情で相槌を打った

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作者名:ロモォコ | 作成日時:2021年12月23日 1時

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