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2,岩代高原 ページ3





「おはよ。」


「おはよう、花鈴。

今日は早いのね。」


「え、普通じゃない?」


「そう?」



ウフフと笑って、母はリモコンを掴み、
テレビでニュースを映し出した。



『今朝は、石代高原からお伝えしてます。』



秋の高原を背景に、
マイクを持ったリポーターが立っていた。



『先ほど取材していましたら、
猪の大きな群を見たという観光客もいて、

それも、自然が保存されている
証拠なのでしょうね。』



へぇ、猪って、あれ、群になるんだ。



「花鈴、ケータイ。」



パタパタと、駆け寄ってくる母。

その手には、緑のランプが光る、スマホ。



「あ、ありがとう。」



この着信音は…たぶん。


階段を駆け上がって自分の部屋に入ると、
私は、通話ボタンを押した。



「はい、もしもし。」


『…花鈴?』



和典だった。



「和典?どうかした?」


『若武から、伝言。

今日、KZの練習後に、
カフェテリア集合だってさ。』


「ああ、うん。ありがと。」


『ん。』



電話の向こうが、静かになった。


少し考えて、口を開く。



「今、何してたの?」


『勉強。』



あ、和典は、朝型だっけ。



「そっか。じゃ。」


『……ん…。』



ちょっと眠そうな、和典の声。


でも、次に聞こえたのは。



『学校、頑張れよ。』


「え………。」



答える間もなく、切られた電話。



「和典も、頑張ってね。」



もう、誰もいない通話口に向かって、
ぽつりと呟いた…。



3,サッカーチームKZ→←1,西岡花鈴のモノローグ



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エイミー - 杏花莉さん» 「消えた美少女は知っている」にアクセスが許可できません・・・ということなので、ログインしていないものから返信させて頂きます・・・。伝わりましたか!良かったです♪私も上杉くん大好きです!コメントありがとうございました! (2016年12月26日 9時) (レス) id: 6aadb72d51 (このIDを非表示/違反報告)
エイミー - なーさん» 「消えた美少女は知っている」にアクセスが許可できません・・・ということなので、ログインしていないものから返信させて頂きます・・・。ありがとうございます!頑張ります♪ (2016年12月26日 9時) (レス) id: 6aadb72d51 (このIDを非表示/違反報告)
杏花莉 - 花鈴ちゃんの切ない気持ちがこっちにまで伝わってきました!番外編で上杉君と両想いになれたときはホッとしました!ちなみに私は上杉君推しです! (2016年8月3日 0時) (レス) id: 154f442b08 (このIDを非表示/違反報告)
なー - とても面白かったです!これからも頑張って下さい!絶対見ます(*^^*ゞ (2016年6月21日 21時) (レス) id: 20b5ed2b90 (このIDを非表示/違反報告)
エイミー(プロフ) - えいみさん、ありがとうございます☆KZ、面白いですよね♪私は俄然、上杉くん押しです(笑)これからよろしくお願いします! (2015年12月30日 13時) (レス) id: c472ba4c17 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:エイミー x他1人 | 作成日時:2015年12月7日 22時

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