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番外編2 ページ23





そんなこんなで、和典との約束の日になった。


あの帰り道から、
暇さえあれば考えていたこの日。



6時半に起きて、準備が終わったのは、
待ち合わせの30分前だった。


もうね、楽しみ。

だけど…やっぱりドキドキする。


岩代高原に行ったときに気付いた、
あの気持ち。


今日は…全部忘れて楽しむつもり。


この想いのせいで気まずくなる、
なんてことのないように。


ツラツラと考え事をしていると、
玄関のチャイムが鳴った。


扉を半分開きながら、
今すぐ出掛けようとしている母に言う。



「いってきます」


「いってらっしゃーい!

デート、楽しんできてねー!」



………!


え、今日って…



「デ、デートーっ!?」


「花鈴?」



ヤバい。

非常に、ヤバい。



「…」


「…、はよ、花鈴。」


「お、おは、よう…和…典。」



もー…絶対意識しないって誓ったのに。


これじゃ、ほんとにダメ…。


重苦しい沈黙、破ったのは、和典だった。



「…デート…とか、迷惑だったら考えんな。」


「え?」


「だから!俺との外出を、
デート…に加算しなくて良いって。
…迷惑だろーが、フツー。」


「別に、良いよ。」


「は?」


「あ。」



口が滑る。


サーっと血の気が引いた。



「や、あの、ね、なんてゆーか、その。」


「…」



和典の不思議そうな表情に、
私は覚悟を決めた。



「…だから…和典となら、
…デート、でもいいよ、って…。」



言った瞬間、顔に熱が集まるのが分かった。


慌てて目を伏せ、家の通りを右に曲がる。


と、隣から小さい溜め息が聞こえたんだ。



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エイミー - 杏花莉さん» 「消えた美少女は知っている」にアクセスが許可できません・・・ということなので、ログインしていないものから返信させて頂きます・・・。伝わりましたか!良かったです♪私も上杉くん大好きです!コメントありがとうございました! (2016年12月26日 9時) (レス) id: 6aadb72d51 (このIDを非表示/違反報告)
エイミー - なーさん» 「消えた美少女は知っている」にアクセスが許可できません・・・ということなので、ログインしていないものから返信させて頂きます・・・。ありがとうございます!頑張ります♪ (2016年12月26日 9時) (レス) id: 6aadb72d51 (このIDを非表示/違反報告)
杏花莉 - 花鈴ちゃんの切ない気持ちがこっちにまで伝わってきました!番外編で上杉君と両想いになれたときはホッとしました!ちなみに私は上杉君推しです! (2016年8月3日 0時) (レス) id: 154f442b08 (このIDを非表示/違反報告)
なー - とても面白かったです!これからも頑張って下さい!絶対見ます(*^^*ゞ (2016年6月21日 21時) (レス) id: 20b5ed2b90 (このIDを非表示/違反報告)
エイミー(プロフ) - えいみさん、ありがとうございます☆KZ、面白いですよね♪私は俄然、上杉くん押しです(笑)これからよろしくお願いします! (2015年12月30日 13時) (レス) id: c472ba4c17 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:エイミー x他1人 | 作成日時:2015年12月7日 22時

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