ラノベ好きの文学少女が僕に銃口を向ける事実。 (ページ4)

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「その…よく言われない？童顔だねって」

「それ次言ったら殺しますよ」

「すいません」

彼女は相当外見を気にいていたみたいだ。

と、彼女の“殺す”という言葉に、はっと我に返った。

「そうだ！」

千鶴さんは依然キョトンとした表情で僕を見る。

「なんで銃なんて持って、誰かを殺そうとしていたの？」

千鶴さんは少し考えこむようにして眉間にしわを寄せて、やがて掛けていた眼鏡を外すとひとつ溜め息をついた。

「んー。これ言って信じて貰えますかね…」

「そんなに異次元みたいな話なの？」

千鶴さんは苦笑した。

「ええ。“ドッペルゲンガー”って知ってますか？」

「うん。知ってるよ。もう一人の自分が現れるってやつだろ？」

「はい。」

千鶴さんは数歩僕から離れ、銃を何処からともなく取り出す。

そして、それを僕に向けた。

「君島凛(きりしまりん)さん。あなたはドッペルゲンガーを信じますか？」