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耳障りな目覚ましの電子音が部屋いっぱいに響く。
「………っう」
まだ重い瞼を無理矢理に開け、力一杯に目覚ましを止める。
バキ、という嫌な音が耳に届いた気がしたが、きっと気のせいだろう。
部屋のドアを開けると、全身を冷えきった風が撫でまわす。
「…もう冬か」
来た覚えがないパジャマの袖の長さと、廊下の長さが今の季節を訴えていた。
最後に見た景色は紅葉でいっぱいだった筈なのに、窓から見える外の風景にそれらはすべて地面に横たわっていた。
何度も味わってきた空しさが胸を締め付ける。
くしゅん、とひとつ頼りないくしゃみをし、僕は買った覚えのないカーディガンを羽織った。
僕の病気は、『眠り姫病』とも呼ばれる、突然強烈な眠気に襲われ、そこから何日〜何ヵ月とまで目を覚まさないという難病だ。
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作者名:ひなたまん | 作成日時:2013年12月23日 13時