警視庁は知っている

知らない人物 ページ44

小塚side

胸がゾクゾクする。

何かに気づいたように。

違う。

なんだろう。探偵チームの活動で絶対にいつかは感じる、この感覚。


七鬼がアーヤと思わしき並びのローマ字つづりを見つけてからこんな調子。

でも、いつもとは違って安心の気持ちもこみ上げてくる。

アーヤだからかな。


まだ、アーヤが安全とは限らない。

もしかしたら知らない方が良いことかもしれないけど、それでも、何となく安心と言う言葉しか出てこない。

僕は、アーヤと違って国語が苦手だから。

と、それぞれが考えを巡らせていると若武が、

「でも、問題は立花彩のaと、何らかの平仮名だ。

この２つの紙の持ち主次第で状況が変わるかもしれない。至急、探そう。」

と、話した。

皆んなは顔を見合わせ深く頷く。

「まず、送られてそうな奴の検討を大体つけて各自連絡しよう。その方が効率がいい。」

と、上杉が提案してそれぞれが案を出す。

「まず、アーヤが1番居るのが多いのが家か秀明か学校。まずそこから親しい人間を考えよう。」

と、黒木が言った。

確かに普通に考えてみるとまずはそこだろう。
でも僕はあることに気付いて言う。

「でも、警視庁の関係者ってセンは？」

とそう問いかけた。

すると黒木は首を振って

「確かにその可能性はある。ただ悪魔で''可能性''だ。とりあえず1番妥当なセンから行こう。」

僕は言われてそれもそうだと思って頷いた。

黒木は僕の理解をしっかりと確かめ、

「まず、学校だ。俺が知ってるのは七鬼と片山ぐらいだ。

でも、1番その浜田と近い七鬼、他にいるか？」

七鬼はその端正なかおに妖艶な笑みを浮かべ、

「1人いる。女の佐田真理子だ。」

そして上杉に向かって片目を瞑った。

上杉はうぇっと言って

「黒木、お前に任せる。」

と言った。

黒木は小さく笑う。

それを確認した上杉はバトンを受け継ぐように言った。

「次は秀明だ。でもこれは特に思い当たらない。誰か、いるか。」

秀明生である僕達も分からない。
考えてみればアーヤの友達を僕達以外にあまり見た事がない。

言っても片山と砂原ぐらいだ。

「じゃ、家。まぁ、これは俺たちに分かるようなことじゃないから黒木、頼む。」

そう真剣にいう若武の目をみて黒木はせせら笑った。

「なんか俺、役目を多くない？」

というも若武は聞かなかったフリをして進めた。

「それ以外にいるか？砂原はいまシリアに居るから考えにくい。除外していいだろ。」

抵抗→←単純なローマ字

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