あんスタ長編 (ページ2)

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唯一の希望の光が、自分の前から消えてしまった。

それでもやっぱり諦めることが出来ず、もう一度でいいから、ステージに立っているキラキラした姿が見たい。

その為に、自分が少しでも出来ることがあるならば、努力したい。

そう思った次の瞬間には、公式ページで見つけた〈新入社員募集〉のバナーを押していた。

就職の時期はまだ少し先だけど、それまでに出来るだけの勉強をして、上京に向け着々と準備を進めた。

そして、最終面接は対面での面接。

(人と喋るのも、緊張感あるこの雰囲気も無理、逃げ出したい…)

そう思う度に頭では、ここで自分が逃げ出したら"あの人"にはもう二度と会えないかもしれない

その気持ちだけが自分を奮い立たせた
結果的には、資格や技術面が活きて今こうして就職出来ていた
"あの人"への道が繋がった気がした

それでも今、まだアイドルとして活動しているのか、どうして急に消えてしまったのか、分からないとこは山ほどあるが今はとりあえず、この仕事に慣れて、余裕を作ってから探っていくしかない。
と、同時に、アイドル好きがバレないようにしなければならない。
なぜなら、自分が女性であるが故に、事務所にファンがいた、なんてスキャンダルや事件の種にしかならない為、追い出されるかもしれない。
だから、仕事中は事務所のアイドルの基本的な事だけを把握して、仕事に活かす。それ以上は無い。のスタンスで真面目に仕事をしている(フリ)をしている。

「とは言っても、本当の所、つっかれた～！！」

夜ご飯を食べ考え事をしていたら、気づけば日付を回りそうな時刻で慌てて就寝した。

それからは、着々と仕事に慣れ、先輩に言われる前に資料を渡せるぐらいには成長した。

先輩にも褒められ、任される作業が増え、とても充実していた。
それから１ヶ月後―
上の方達の1部の人達がバタバタと何かの準備に追われる現場をよく目にするようになった。
(なんだろ？何かあったのかな…？)

デスクで作業をしながら考えていると
【あ、ごめん朝倉さん！会議室にお茶出ししてくれない？ちょっと手が離せなくて～】

「わ、分かりました！」

急に呼ばれ、急いでお茶を汲み、言われた会議室へと足を運ぶと、
ｺﾝｺﾝ―
「失礼します」

どうぞ、と副社長―七種さんの声が聞こえた。

中に入ると、個性豊かな若い男性が4人ほど

その中に、私は見知った顔の"あの人"がいた―

「…え」

『どうかしましたか？』

「っ！失礼しました！」