あんスタ長編 (ページ1)

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ESが誕生したこの春―
ずっとずっと昔から大好きなアイドルの所属する事務所、【コズミックプロダクション】への就職が決まり、上京―

「おぉ…！」

(これが東京、さすがニュースで取り上げられるだけあるESビル…)

「落ち着いて…やればできる」
(もう昔の弱い自分じゃない)

深呼吸を繰り返すと、大きなビルの入口をくぐった

18階に着くと、受付を済ませ、席に案内された。
ミーティングが開かれ、新入社員が1人ずつ挨拶をして行くと、順番が回ってきた。

「失礼します。本日より出勤の朝倉Aです。よろしくお願いします。」

頭を下げると、拍手で迎えられた。
その中には社長含むお偉いさん方が並んでおり、その中に見知った顔があった。

(あの人確かEdenの…！)

挨拶もそこそこに、配属とこれからの作業等の説明を受け、それぞれの持ち場に着いた。

事務に配置され、先輩と共にあれこれ基本の内容を教わった。
それからも習ったことを実践に移しつつ、気づけば定時を迎えていた。

「お先に失礼致します。お疲れ様でした」

事務所の扉を抜けると、近くにあった自販機へと向かった

(ふぅ～…さすが大きな事務所なだけあって忙しいな…でも)

わくわくする！

珈琲を飲み一息つきつつ、寮へと帰りを急いだ。

帰宅すると、温かい湯に浸かり、振り返った。

学生の頃の自分は、気弱で周りについて行くのがいっぱいいっぱいで、辛かった。

でも、そんな時にたまたま見たテレビに映っていた音楽番組のアイドルに釘付けになった。

(すごい！キラキラしててかっこいい！凄く楽しそう！)

「わぁ…！！」

それからというものの、あの時の人は誰なのか、どこに行けば会えるのか、触れてこなかった知識が沢山でひたすらに調べて知って、やっと見つけた。

「この人だ…！！」

見つけてからは、この人に会いたい！その一心でLIVEの情報を探したり、グッズを買ってみたりと、勢いのまま動いて見た結果、

「近すぎると、まず人混みが無理…緊張も相まって心臓吐きそう…でもやっぱりキラキラしてて素敵だったな～」

辛いだけだった人生に沢山の勇気と希望を貰った

それからも出ている番組は毎回チェックして、グッズも集めて勉強だって頑張った。

そんな時―"ユニット制度"がアイドルの中で流行り始めた

すると、その直後から、テレビの出演が無くなり、LIVEやグッズもぱたりと無くなってしまった。

「なんで…？嘘…」

公式ページには小さく所属の名前だけが記載されていた。