冷酷少女は傷を抱える (ページ39)

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彩side

やっと家に着いた

私が部屋に篭ろうと階段を上がりかけた時

紗姫が私を呼び止めた

「ねぇ、彩。

もう少ししたら制服の採寸に行こうと思うんだけど

彩、いつから出る？」

・・・また外に出るんスカ

イヤナノデスケド

でも仕方ないか

「・・・1時間後で」

私は紗姫達に拒否権は無いものとし

手短かに伝え部屋に篭る

私、そんなに頻繁に外出たくないんだよ

あーあ、このまま1ヶ月程ここに居たい

無理は重々承知なんだけど

というか明日から登校とか早すぎるだろ

もうちょい猶予与えてくれてもいいんじゃないですかね

開成は授業中、寝ててもいいぐらいのレベルなんだよな

私的には

紗姫達は寝る間もないんだろーけど

うん、ある意味同情するわ

授業中寝れないとか私地獄だからさ

たぶん私の頭は一般人と、大分思考が食い違っていると思う

そう指摘された事もあるし

でもこれが私の普通なんだから別いいじゃん

って思った事を覚えてる

今思えば、あれ完璧開き直ってるよな

約束の時間までまだ結構あるな

よし、本でも読んどくか

～1時間後～

「彩やっぱり何でも似合うね！」

紗姫の言葉、完全皮肉にしか聞こえねー

私の頭が捻くれてるからだと思うけど、な

今のは誰が聞いても皮肉にしか聞こえないよ

そう信じる

一般人の頭を

「・・・なんか、お前らって制服似合わなねーな」

私はこの言葉を祐飛と蓮に向けて放つ

「んなの、本人らが一番わかってんだよ」

「そーだそーだ」

蓮が祐飛の言う通りだとでも言うかのようにいう

私はあっそ、としか思わなかったが

後で考えてみると、自分で言ったのに

反応めっちゃ薄かったよな、私

なんかコイツらとの温度差が気になりつつある

私だけテンションが著しく低いし

今も紗姫達はキャッキャッと騒いでるのに

私は無言

それにポーカーフェイス

紗姫達がテンション可笑しいだけなのか？

それとも私が低い？

恐らく後者だろーな

いや、紗姫達が可笑しい線もあるけど

これ言ってたら切りねぇから、一応可笑しくないと思っとこ

・・・一応

紗姫達が騒いでるのを見てふと、思い出した事があった

「なぁ、お前らさ秀明って塾に行かね？」