【美彩】＊俺の嫉妬心よりも・・＊ ページ8
―――ねぇ、美門くんと立花さんって、付き合ってるのかな？
俺が席に座って次の授業の準備をしていると、斜め後ろからコソコソと女子たちの声が聞こえた。
よくもまあ、俺という本人が目の前にいるのにも関わらず、そーいう言葉をはっせるものだな。
これは例外というわけではなく、同じ学校の女子たちがそう発するのを、俺は幾度か耳にした。
俺とアーヤは付き合ってはいないけれど、多分、距離感の近さからそう思われたのかもしれない。
まぁ、俺は女子との距離を意識することはあまりないけど・・・別段、アーヤとの距離感は何となく近いような気もする。
―――いいや、それはないでしょ。美門くんだよ？あの、カッコイイ美門くん。だって、立花さんはさ、美門くんの彼女にしては・・その、地味・・過ぎるし
――――やっぱり、そうだよね！あの２人じゃ、つりあわないか。じゃあ、私アタックしちゃおっかな！
そこで、俺は彼女たちの会話を耳にするのをやめた。
感想を一言述べるとするならば、【バカバカしい】だ。
残念ながら、俺は君にアタックされても今の恋心は揺らがない。
俺は、コソコソと噂話をまくり立てる、陰湿な一面のある女子が、あんまり好きではない。
・・だからこそ、女子として異質な、アーヤを好きになったんだから。
好きな女子のことを地味だといわれて、機嫌がよくなる男なんていないと思う。
実際、俺もそうだからだ。
君たちに、アーヤの良い所なんて分からないさ。
君たちが知らないだけで、彼女は本当に努力家でまじめでひたむきで、優しい子なんだ。
俺とつりあわない？・・・まさか。
釣り合ってないのは、俺の方さ。
俺は席を立った。
「アーヤ。放課後、時間空いてる？」
あの女子たちに見せ付けるように、俺は言った。
チラリと横目で彼女たちを見ると、どちらも顔をあんぐりと開き、「ほらね、やっぱり脈ありよ！」
と先まで「いや、ないでしょ」と言っていたのを忘れたかのような発言をとった。
「うん。塾の時間までは」
「そっか。じゃさ、放課後、一緒にスタバよらね？」
「翼が良いなら、行こうかな」
アーヤは笑う。宝石よりもキラキラ輝いてる。
「アーヤ、シャンプー変えたんだ。俺、前のも好きだけど、今のはもっといいかも」
「そう、昨日変えたんだ。・・そっか、なら、これからはこれにしよっかな」
―――良い香りだよ、アーヤ。
俺の嫉妬心よりも、ずっと綺麗で美しい香りだからね。
【黒彩】＊大人の道を、君となら＊ →←【砂彩←小】＊恋心と時間＊ 微 シリアス
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 58人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「短編集」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さまー - アーヤが美門って呼んでるから翼って読んでて欲しいです！ (5月24日 20時) (
レス) @page25 id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
pua - 砂彩書いて欲しいです！ホント面白いです！わたしもこう書けるようになりたいっ！ (2021年5月18日 13時) (レス) id: b5e633d6ad (このIDを非表示/違反報告)
ゆっゆっち - 黒彩もっと見たいです！体に気を付けて頑張ってください (2020年7月5日 20時) (レス) id: 14eff17734 (このIDを非表示/違反報告)
間葉 - 黒彩がみたいです！ (2019年3月29日 23時) (レス) id: 8e4a69fdea (このIDを非表示/違反報告)
mimiko(プロフ) - すごく面白いです！美彩の作品をもっと読みたいです☆更新頑張ってください☆ (2018年3月25日 17時) (レス) id: 5555f18d7d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：フルグラ | 作成日時：2017年10月27日 16時
