【上彩+黒】*最近、アーヤと上手くいってるか?* ページ5
「なぁ、上杉。最近、アーヤと上手くいってるか?」
「俺なりには、上手くいっているつもりだ」
上杉はそう告げた。
上杉がアーヤ以前に女の子と付き合っていなかったのは、俺がよく知っている。
彼女という存在が初めてできたうえ、そもそもそんなに女子との絡みが少なすぎる上杉のこと。
ちゃんと2人がやれているか、心配だった。
「じゃあ、恋人として当然の行いも、済ませたのか?」
俺がそう平然と聞くと、上杉はしばらくは黙りこくっていたが、やがて顔を真っ赤に染め(なんかこういうのアーヤに似ている気がする)、俺の方を若干睨み付けるようにして言った。
「な・・何言ってるんだお前・・!そ、そんなのまだに決まってるだろ」
正直、意味が分からなかった。
上杉はなんでこんなに顔を真っ赤に・・・あぁ、そういうわけか。
俺は軽くため息をつく。そこら辺、ウブだな。
「一応言っておくが、デートのことだぞ?上杉が何を想像したか知らないが」
「・・・・デートなら、数回した」
自分が勝手に誤解したのを恥ずかしがってか、上杉は少しだけ不機嫌そうに言った。
若武と上杉は正反対だと思っていたが、若干似ているところもあるんだな。
「図書館デートとか数学館デートとか、そんな肩身の狭いところじゃないだろうな?」
「喫茶店と遊園地とか、書店・・。とにかく、立花が喜びそうなとこ」
「そうか。上杉、意外と女心を知ってるんだな」
「俺も、少し調べたりしたんだ。・・・その、立花に、嫌われたくねーし」
いつもクールで他人事には興味なさそうな上杉が・・・。数年来の付き合いだが、そればかりは少し驚いた。
「ちゃんと、連絡もとっているのか?」
「1日か2日に1回は連絡とるようにしてる」
「・・・そっか。それなら、安心だな。上杉の行いでアーヤが寂しがってないかチェックしようと思ってたが・・きっと、アーヤにとっても良い彼氏だ」
「・・なんで、どこまで俺とアーヤのこと気にするんだ?」
「そりゃ、友人たちの恋を応援するのは当然だろ?・・・と言いたいが。生憎、俺はそんな善人じゃないんだ」
俺は少し苦笑いを浮かべる。
応援している気持ちは、当然ながらある。
アーヤも上杉も友人で、2人の恋を応援するのが俺の役目。
―――だが
「俺さ、まだアーヤのこと諦められてないんだ」
「薄々感じてたが、やっぱりか」
「だから、上杉とアーヤが上手くいかなかったときは・・」
俺がその間に付け入って、アーヤのことを奪うぞ?
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さまー - アーヤが美門って呼んでるから翼って読んでて欲しいです! (5月24日 20時) (レス) @page25 id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
pua - 砂彩書いて欲しいです!ホント面白いです!わたしもこう書けるようになりたいっ! (2021年5月18日 13時) (レス) id: b5e633d6ad (このIDを非表示/違反報告)
ゆっゆっち - 黒彩もっと見たいです!体に気を付けて頑張ってください (2020年7月5日 20時) (レス) id: 14eff17734 (このIDを非表示/違反報告)
間葉 - 黒彩がみたいです! (2019年3月29日 23時) (レス) id: 8e4a69fdea (このIDを非表示/違反報告)
mimiko(プロフ) - すごく面白いです!美彩の作品をもっと読みたいです☆更新頑張ってください☆ (2018年3月25日 17時) (レス) id: 5555f18d7d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フルグラ | 作成日時:2017年10月27日 16時