【イナオリ】こちとら初心者なんだよ！

NO.28 天使と刻印 ページ38

その後、特攻バッファロートレインによって中央を突破され、シュートが放たれた。


巻き込まれ弾かれた風丸を円堂が『風神雷神』で受け止め、そのままボールも弾くも、
完全にはクリア出来ず。こぼれ球を拾われて、韓国のシュートが決まってしまった。


会場中が湧き上がる中、Aは韓国の選手をじっと見つめていた。すると、
韓国のキャプテン、ソク・ミンウが3人に詰め寄っていくのを捉えた。


何かを言い争っている様だが、流石に距離があるため、会話の内容までは
聞き取れなかった。そして、ソクがペク・シウの服を引っ張ると、右肩にある、
青いオリオン座型の刻印の様な物が現れた。それをはっきりと見つけたAは、


『青いオリオン座型の……刻印…………？………オリオン財団と何か関係があるはず…………』


と口に出す。すると、隣に居た豪炎寺が聞き取り、Aに聞き返してきた。


豪「オリオン座がどうしたんだ？」


『(しまった、聞かれてたか……にしてもなんでそんな微妙な所で……)ほら、彼処のヘアバンド
の人の肩……オリオン座型の…』


豪「ほんとだな………まあ、趣味とかで入れてるんじゃないか…？」


『…それもそう………ですね！』


無理やり話を終わらせるA。豪炎寺は気にすること無く再び試合に目を向ける。


そしてそのまま試合は日本からのボールで再開する。

明日人が切り込んでいると、
タックルをかまされボールを奪われた。

そのままタツヤ達を抜くと、態々後ろにいたソクにボールを回す。

Aは疑問に思ったが、すぐに疑問は消え去った。何故なら、ソクの前後から他選手が
膝に蹴りを入れ、プレーを妨害したのだ。

よっぽど攻撃が堪えた様で、ソクはそのまま気絶してしまった。一方、その様子をフィールドで見ていた三人は。


ヒ「味方同士で潰し合うなんて、馬鹿な奴らだ」


灰「あぁ、全くだ」


不「…お前らがそれ言うかァ？」



……………ごもっともである。


ソクが担架で医務室に運ばれた後、試合は再開。再び韓国が攻め込むも、
MF、DFの8人で必殺タクティクス「エンジェルローブ」を発動、華麗にボールを奪った。


『……(駄目だ僕……笑うな僕…いくらあの顔でエンジェルローブが合わないからって…)』


鬼道が「エンジェルローブ」とタクティクス名を呟くのをしっかり捉えていたAは、
1人で笑いを堪え震えていた。Aが震える理由を察した豪炎寺が吹くまであと3秒。

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