俺のマスクを取ろうとしてくるヤツらがまじで怖いからどうにかして欲しい件について 【ツイステ】

マスク＿10 ページ12

監督生side



「…あの、Aさん！少し良いですか」


勇気を出して未だ不機嫌なオーラを出すAさんに話しかける。之から此処でお世話になるのだ、挨拶くらいはしなければならない。日本人特有のものかもしれないが、それでも話すきっかけくらいは欲しくて、恐る恐る声を出す。


「五分以内に言って。此の場所に居たくねぇし」


Aさんは此方を見てから息をついて私が距離を詰めた分だけ離れていく。五分以内なんて制限を付けるほどそんなに私と話したくないのだろうか。悲しい気持ちになるけれど、沈んでいても時間はただ過ぎるだけだからと気持ちを切り替える。


「あの、グリムの事なんですけど…」


そう、今一番問題視しているのはそこだ。
聞けば、Aさんは哺乳類＿とやらが嫌いらしい。世間一般で言うところの猫であるグリムは受け付けないだろう。でも、グリムと一緒じゃないと雑用係なんて迚出来ない。赦しを得ないといけないのだ。それを分かっていたのか、マスクで顔の殆どが隠れてよく見えないが、僅かに眉が顰められる。



「…俺の部屋及び俺の部屋の前の廊下、それからキッチンにだけは彼奴を入れるな。入れたらそれこそ御前の不始末で一緒に追い出す」


「…、あ、りがとうございます。すいません、苦手なのに、」


まさか、オッケーを出してくれるとは思わなかった。驚きのあまり言葉が途切れる。



「居ないと困るのは御前だろ」



あ、ちゃんと私の事も考えてくれてるんだ。学園長に聞いた、Aさんは優しいって言う言葉が今わかった気がする。思わず笑みを零せば、不思議そうな顔でAさんが此方を見る。







「＿これからよろしくお願いします！Aさん、」

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