22.お世辞にも ページ22
ずーっとベリーショートだった
自分は女の子で、女友達が可愛いと思う事もあったが、もちろん男の子が好きだった
それでも、私は"お姫様"だとか"可愛らしい女の子"に興味を示すことはなく
私が憧れたのは"かっこいい人"だった
だから"女の子らしく"なんて堅苦しい言葉と、それによって制限される世界が嫌いだった
ある日、忙しくて髪を切る時間がなかった
それで前髪を出し、伸びた髪を耳にかけていたら
「あら。可愛い。女の子みたい」と声をかけられた
「私は生物学的上はメスですよ？」
「似合ってるわよ。髪の毛伸ばしてみたら？」
「なんでですか？」
「志野のお団子とかきっと可愛いと思うわよ？」
憧れの上司に言われ
「伸びたら志野ちゃんに似合う簪を買ってあげるよ」
常連さんにつられた私は
「じゃあ…1年だけ」
1年だけ髪を伸ばしてみる事にした
髪がゆっくりと伸びる間、皆に「伸びたね」と言われ続ける日々
髪型を変えても、髪色を変えておしゃれしても「可愛い」とはもう言われなくなっていた
可笑しいな？
まだあなたから「可愛い」って言ってもらえてないのに
どうして？
髪が伸びるたび
シャンプーの泡立ちが悪くなるたび
頭が重くなるだけで、手間がかかるだけで
私は頭上の体毛に只々怒りを覚えるようになっていた
そしてある日…
「なんだ？その痛んだ毛は？カツラか？」
あなたに褒められることを待ち望んでいたのに
あなたに傷つけられた私はその日のうちに美容院に駆け込んだ
頭がとても軽い
風通しも良くて気持ちいい
私は今まで何を我慢してきたのか
空回りしてまで何を頑張ってきたのか
「馬鹿みたい」
私から分離された"カツラ"と呼ばれた毛の屍を踏み越え、私は美容院を後にする
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梼(プロフ) - 13日の金曜日さん» あっ。正解w元は鬼灯で書いてたものを引用して名前変えだけですからw (2015年7月28日 19時) (
レス) id: 50aca512b0 (このIDを非表示/違反報告)
13日の金曜日 - 白澤とか唐瓜とか出てきて鬼灯○冷徹かと思った自分を殴ってやりたくなる、今日この頃 (2015年7月28日 14時) (レス) id: e33d5cb0ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鋳 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/toshi6411/
作成日時：2015年5月9日 5時
