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23.お世辞にも ページ23

憧れの上司は「限界だった?」と笑いながらも短い髪と頭を撫でてくれた

常連さんは「簪はダメでも、ヘアピンも立派な髪飾りだよね?」と言って

全体よりも少しだけ長い前髪を止めるように、赤・橙・黄色の秋を感じさせるヘアピンをくれた

「とっても似合ってるわよ」

「ありがとうございます」

髪を切ってから会う人会う人が「似合うね」と言ってくれる

やっぱり自分はベリーショートが似合うのだと嬉しかった


しかし、髪を切ってからあまりにも皆が話題にしてくれる

髪を伸ばしていた時よりも、切った後の方がリアクションが大きい

これはこれで少し心配になってくる

私は手入れの出来ないがさつな女だと思われていたのだろうか?

可愛くなろうとしたことが、逆効果だったのだろうか?

頑張って我慢していた時の自分は皆にどう思われていたのだろうか?


一人悶々と悩んでいると「生き返ったな」と後ろから軽く頭を叩かれる

何事かと思って振り返ると、事の元凶であるあなたがいた

「そのヘアピンはどうしたんだ?」

「お客さんがくれた。髪が伸びれば簪を買ってくれるって約束してたから」

「そうか。客の為だったか」

そう言ってあなたは煙草を吸うと、私の顔目がけて煙を吹きかけてくる


「ゴホッゴホッ…ちょっと!?何するの!?」

「嫌がらせ」

「なんで!?」

「客の為に頑張ったから」

「はぁ!!?」

「志野はベリーショートが一番可愛いって。一番似合ってるって。俺言わんかったっけ?」

帽子で顔を隠しながら煙草を吸い続けるあなた


それって…照れてるの?

嫉妬したの?

やきもちを焼いたの?

「言ってない。初耳」

「そりゃすまなんだ」


そう言ったあなたは口を開こうとしない

暫く沈黙が流れた後、耐えきれず私からあなたに声をかける

「織部は勘違いをしてる」

「なにが?」

「髪を伸ばしたのは、織部に可愛いって言ってもらいたかったから。
髪を切ったのは、織部がカツラみたいって言ったから。大好きな檎に言われて傷ついたんだから」

涙目でカンカン帽を取り上げると、なぜかあなたも涙目で


「それ…本当か?」

「うん」

「俺の事が好きなのか?」

「うん…大好き」

「なんだ…俺が一番の馬鹿じゃないか。もっと早く言っておけばよかった」

男勝りで、お世辞にも可愛いとは言えない私を

「俺も志野が大好きじゃよ」

恋する可愛い女の子に変えれるのはあなたしかいない

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作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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(プロフ) - 13日の金曜日さん» あっ。正解w元は鬼灯で書いてたものを引用して名前変えだけですからw (2015年7月28日 19時) (レス) id: 50aca512b0 (このIDを非表示/違反報告)
13日の金曜日 - 白澤とか唐瓜とか出てきて鬼灯○冷徹かと思った自分を殴ってやりたくなる、今日この頃 (2015年7月28日 14時) (レス) id: e33d5cb0ec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/toshi6411/  
作成日時:2015年5月9日 5時

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