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14.気の抜けた炭酸 ページ14

「ちょっとコンビニ寄っていいですか?」

「いいですよ」

織部さんは私と夜デートする時はいつもコンビニに立ち寄る

そしてゴムや精力剤を買うのではなく

プシュッ

キャップ付きのアルギニン入り炭酸飲料を買う

そして蓋を開けて一口だけ飲むと

「ありがとうございました。では行きましょうか」

私は織部さんの部屋に招かれる


「織部さん?」

日頃の疲れからか、織部さんは私より寝るのが早い

だから私はいつも織部さんの寝顔に

「ぷっ…起きたら驚くぞ」

落書きをするのが日課となっていた


これは私の寂しさの裏返し

「先に寝るぐらいなら全部飲めよな」

ご丁寧に冷蔵庫で冷やされているアルギニン入り炭酸飲料に怒りを覚えた

蓋を開けたところで、もはや炭酸が弾け飛ぶ音も、空気が溢れて漏れてくる音もしなかった

炭酸の抜けてしまったこの飲み物にエナジーチャージの効力はどれほど残っているのだろうか?


今日のデートのために私が買った服は、下着は、脱がす工程を楽しむだけのものだったのだろうか?

私が時間をかけた髪型は、化粧は乱されるために整えたのだろうか?

「美味しいのも、楽しいのも最初だけ。所詮織部さんは私の全てを必要としているわけではないのか」


気の抜けた炭酸飲料を流しにぶちまけ、私は愉快な寝顔の織部さんを置いて

志野「女にだって賞味期限があるんだ馬鹿!!」

と、部屋の扉を蹴って鬱憤を晴らしてから帰宅する


翌日職場に織部さんが来たが、私は全身全霊をかけて目をそらし、気付かないふりをしては無視し続けた

はけ口を求めていた私は上司に愚痴っていた


「デート前にエナジードリンク買ったくせに少しだけ飲んで爆睡して何なんですかね!?
寝たいんなら買わなきゃいいし、気の抜けた炭酸飲料なんかとっておいてどうするんですか!?」

「あれ?志野ちゃん知らないの?」

「ん?何がですか?」

「織部君炭酸苦手なんだよ」

「…え?」

「だからあれはわざと気を抜いてるんだよ。
織部君は一人で寝付けない子だから、志野ちゃんがいるうちに寝れるように飲まないんだ。
志野ちゃんが帰ってから、一人の寂しさを乗り切る為に取ってあるんだよ」

「そうですか…とりあえず…織部さんに謝って来ます」


乗り切る物が無くなってしまったのなら

“寂しい”と言う根元を絶てばいいのか

「見栄ばっかり張って、間抜けな奴め」

15.海→←13.テーマパーク



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作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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(プロフ) - 13日の金曜日さん» あっ。正解w元は鬼灯で書いてたものを引用して名前変えだけですからw (2015年7月28日 19時) (レス) id: 50aca512b0 (このIDを非表示/違反報告)
13日の金曜日 - 白澤とか唐瓜とか出てきて鬼灯○冷徹かと思った自分を殴ってやりたくなる、今日この頃 (2015年7月28日 14時) (レス) id: e33d5cb0ec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/toshi6411/  
作成日時:2015年5月9日 5時

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