おじゃま虫 ページ26
『……ッ、』
ガタンッとバスが揺れる音に、ぱちっと目が覚める。
(あれ、私寝て…た…？)
まだなかなか頭がすっきりせずに目をこすっていると、上から声がふってくる。
「あ、起きた？」
『えっ、？』
頭には倫太郎くんの手。ぽんぽんと撫でられてはっと目が覚める。
周りを見ると、バスの中には私達しかいなかった。
『ご、ごめん…！私寝過ごして…倫太郎くんバス…』
「俺降りるの終点だから。」
『えっ、倫太郎くんも…？』
「Aも終点？」
うん、と頷くと良かったと微笑む倫太郎くん。はぁぁ癒しだなぁ…
「LINE交換する？」
突然寝る前に考えていたことを当てられて思わずびっくりする。
『え？な、何で…』
「何となく？そういえば交換してなかったかなと思ってさ。」
倫太郎くんには何でもお見通しな気がする。少しずるいと思ってしまうけど、そこもかっこいいと思ってしまうなんて。
交換が完了したとき、バスは終点地に着いた。
.
「Aと帰るのって何気に初めてだからちょっとわくわくするかも。」
『えっ！？そ、そう…かな…？』
「何で疑問形。」
ふはっと笑う彼に思わずきゅんとする。
その顔も他の皆にきっと見せてるのかな。
もしかして、好きな人に見せたりしてるのかな。
好きな人…
倫太郎くんって、好きな人いるのかな……？
そう思った瞬間、きゅうっと胸が苦しくなって唇をぎゅっととじる。
『あっ、り、倫太郎くんは…！』
「ん？」
『そっ、その…』
待て私。何を聞くつもり？？
好きな人はいるのかって？？
そんなの聞いたら自分が倫太郎くんのこと好きって言っているようなもん。
『ごっ、ごめんね、何でもないや…！』
「何それ、教えてよ〜。」
『わ、忘れちゃった！』
「もうー。」
慌てて嘘を誤魔化す。
まだ言えない。言いたくない。
結局、結果を出してしまうのがこわいんだ。
もし彼に好きな人がいたら？？
もしいたら、私は笑顔で彼に頑張れって言えるのかな？？
そんな邪魔な心が芽生えるのを押し殺して
今日も自分に嘘をつく。
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麻呂ましゅ(プロフ) - 宮侑イケメン過ぎて今度は侑の小説見たくなっちゃったー( ߹꒳߹ ) (11月15日 7時) (
レス) @page47 id: e05060289a (このIDを非表示/違反報告)
なっちち(プロフ) - 久々にキュンキュンきました(*´ω｀*) (2021年2月7日 4時) (レス) id: 5d60cec675 (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - 気づいたらニマニマしてました……とても良い作品ですね(*´ `) (2020年5月18日 22時) (レス) id: 5054bb840e (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ - 可愛すぎるってぇぇぇぇ!やばい！讀みながらひとりで騒いでたわ (2020年4月12日 16時) (レス) id: 767cede04a (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 更新お疲れ様です！続きがすごく楽しみです！！応援してます！！ (2020年4月7日 1時) (レス) id: f894f75d5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にろ
| 作成日時：2020年3月11日 10時
