愛されたい気持ちは知っている

居なくなる彩　？？side ページ19

*





ある日、少女が消えた









それは、あまりにも唐突の出来事だった。




突然、立花彩という少女が姿を晦ましたのだ。





彩が消えた日は、
KZという探偵仲間と一緒に遊園地に行く予定の日で、
KZは、駅で彩を待っていた。


でも、いつまでたっても、彩は駅に現れない。




それに対し、不安を覚えたKZは、彩の家に、電話をかける。


すると、電話に出たのは彩の父親で、
驚きの言葉が返ってきた。




“彩はもうかなり前に家を出た”




かなり前に家を出てれば、KZが来る前には、
もう駅に着いてるはず。

KZは額に汗をかきつつも、
急いで駅に戻り、隅々まで探した。





でも、結局、彩は見つからなかった。




夜になっても、彩は家に帰ってこない。




ついに、彩の両親は、警察に捜索依頼を出す。



警察は、1週間程、この辺りを探してくれたようだが、
彩はそれ以来、姿を現さなかった。



もちろん、探偵チームKZも動いた。

でも、何ひとつとして証拠も見つからないまま、幕を閉じたのだ。





彩が消えたあと、KZは虚しい程までに変わってしまった。



KZは学力が大幅に落ち、
数の上杉、社理の小塚の名前は保てているものの、
それが崩れるのは、時間の問題。


サッカーチームKZに対しても、
戦力となっていた若武の調子が発揮されず、
いろんなチームに負かされる。




でも、そんなことがあっても、
誰1人、それを悔しいとは思わさせず、
ただただ、彩の存在を考える日々になっていた。




崩れるKZ、壊れるKZ。


何がどうして、ここまでさせたのだろうと
聞かれるのならば、私はこう答えるだろう。









彩の存在の大きさがこうさせたのだ、と

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