クールアーヤの過去は知っている

許されるのならば　立花side ページ19

最近、黒木が私のことを探っているという情報が入った。



おそらく、私を探しているのだろう。

だが、情報をそう簡単にプレゼントする私は居ない。



必死に情報がもれないように、隠している。



そのせいか、黒木はかなり苦戦しているらしい。





正直言うと……嬉しかった。



まだKZに必要とされてる気がして。
自分の居場所がまだある気がして。






そんなはず、ないのにな。

私は心の中で嘲笑い、家で隅で蹲る。








もし、私も苦しむことが許されるのなら、
私も弱くなっていいのなら、



KZに助けを求めてもいいのだろうか









足の指先が悴む。



KZは私の凍った心を溶かしてくれた。
だから、私も執着してしまう。





KZなんかと出会わなければ、こうはならなかったのに。




暇つぶしに秀明になんて、通わなければよかった。
転校生の翼に声なんて、かけなければよかった。
不登校生徒の忍になんて、近づかなければよかった。






そんなことを思う一方で、やっぱり私は頼ってしまう。




KZ、助けて







やっぱり私は弱い。

でも、もし、許されるのならば、私だって笑いたい。






そんな夢みたいなことを胸に、私は両手を握りしめる。

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