クールアーヤの過去は知っている

怒りたいけど怒れない　若武side ページ16

俺はかっこよくきめたかったため、自分がインターホンを押すと言った。



ある程度は俺の意見に賛成したが、その時、ただ何も言わない奴が一人いた。


それは上杉だ。



はぁ、またあいつ、俺のことを怒鳴るんだろうな。

かっこつけんなって。


全く、かっこつけることの何が悪い！



俺は何も言わず、上杉を睨んだ。

すると、あいつは、俺の前を横切り、インターホンを押し出したのだ。



正直、この時、何が起こってるか、わからなかった。




あいつ、なんのつもりだ？



上杉は、なんだかんだ言いながら、俺にそういうことを譲ってきてくれた。

それなのに、今回ばかりは反論さえせず、黙ってインターホンを押した。





俺は怒りを抱えて、上杉に怒鳴ろうとする。


でも、上杉の顔を見るなり、そんなことは出来なくなってしまった。


だって、あいつの顔にはどうしようもない不安が詰まっていたから。





いつもは冷静なくせに、今回に限って、そんな冷静さ、1ミリも感じ取れなかった。



なんだよ、あの顔。


俺は、怒りを沈めて、ただアーヤの親戚が出てくるのを待った。





アーヤが居ないだけで、こんなに狂っちまうんだな。

怪しい反応　上杉side→←アーヤの親戚　上杉side

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す