信じる気持ちは知っている

揺れる俺 ページ6

上杉side

立花は俺らを裏切った。

許せねぇ。

まさか、立花が人をいじめるなんて。

俺は怒りで溢れていた。




でも、そんな中、揺れる俺がいる。


本当にいじめたのか……？

立花は、人をいじめるような奴だったのか？


わからねぇ。


立花はいじめたのか。いじめてないのか。



俺はその場の怒りに任せて、立花がいじめたと責めたが、本当にそうだったのだろうか。


俺たちは一方的に立花を責めて、立花の言葉を受け入れようとしなかった。



それは、横暴、ということだ。


いつもの俺らしくねぇ。


なんで、あん時に冷静になれなかったんだ？




いつもなら、両方の意見を聞き、冷静に判断できるのに。




それはなぜだろう。


まさか、立花だったから……？




立花は俺にとって、特別だった。

女の中では1番信じていた。


だからか？


信じてたのに、裏切られたと思ったから、冷静に判断できなかったのか？



あー、わかんねぇ。



俺は何を考えているんだ。


頭の中で必死に考える。





考えていたら、ある一言が浮かんだ。




それは、「立花は優しい。」だった。




立花は優しい。

自分の意見をはっきり言える。


真っ直ぐで正義感が誰よりも強い。



そんな奴が、卑怯な手を使って、いじめをするだろうか。




もう一回、冷静に考えろ。


きっと、違うんじゃないか……？





立花はいじめてない、ということもある。


頭の中はもうぐしゃぐしゃ。




くっそ。



こんな時は、Aに頼るか。





俺は、たまたま通りかかったAを呼んだ。


Aは振り返り、俺を見たあと、静かに倒れた。




和典「おい！大丈夫か？！」

A「だ、大丈夫。」


Aはそう言うも、絶対大丈夫じゃねぇ。


俺は急いで、ベッドに運んだ。



Aは、なかなか倒れない。


ちゃんと自分の管理ができているから。



そのAが倒れた。


いったい何があったんだ？！

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