私の未来は彩らない

囚われる　byあき ページ13

せっかくKZのみんなに送ってもらったけど、私はお父さんの車に乗り病院へ向かう。


今日から入院の日々が続くんだ。



学校のみんなの仲良くできて、KZとも思い出ができて、最高の日だった。

もう未練はないかもしれない。



そう思うのに、なんでだろう。

生きたいと願う身勝手な自分がいる。



私の病気は、3年以内に亡くなるだけで、1年以内、はたまた1ヶ月以内に亡くなる可能性だってある。

それくらい、危険な病気なんだ。



だから、生きられないのは仕方がない。


分かってる、分かってるよ。

でも、生きたいんだ。



家族やKZ、砂原や悠飛。

私を支えてくれた人たちの恩返し、まだ出来ていないんだから。

こんなところで挫折なんて嫌。



小説家になりたかった。

自分の語学力を生かしたかった。




どうして、私にだけ未来はないの？
どうして、私にだけ重い罰を受けさせるの？


理由がなければ分からない。



こんなに辛いのは自分だけじゃない。

他の人だってそうだ。


でも、そう思ってしまう。





私の未来は黒色に塗り替えられる。

彩りなんてもうない。


時間が止まってしまえばいいのに。



そんなことを考えていると、病院に着いた。

大きな病院を見上げる。



ここで、私は過ごすことになるんだ。


もう家には帰れない。

永遠に死ぬまで、ここで囚われる。



私のためを思って、入院させてくれた病院に対して酷い言い草だよね。





病院の中へ入り、自分が入院する病室へ入る。

そこにはベッドがいくつかあったものの、私だけしか居ないみたい。



ひとりぼっち……ってことだね。





どうして、こんなことになったんだろう。


私の目から行き場のない涙がひとつこぼれ落ちた。

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