私の未来は彩らない

思い出を写真へ　byクッキーベル ページ12

空を見上げたあと、私は秀明へ向かった。


今日で秀明も最後かぁ。


少し憂鬱だけど、これも私の運命だから、仕方ない。


そう、諦めたくないけど、諦めることにした。


自分の席につき、5分ほどしたら、講師の先生が来て、授業を始めたんだ。


結局、塾では、KZのみんな以外誰も友達ができなかったな。


受験Bクラスで授業を受けるのもこれで最後。


思わずため息が出てしまう。


今日の授業は国語だったし、もう勉強しても意味もないから、事件ノートを見ることにした。
　

今日だけしかもうさぼれないんだもの。
これくらい良いよね？
そして、事件ノートを開いた私。

ノートには普段書いている文字とは違って、今にも躍動しだしそうな生き生きとした文字が書かれていた。


ページをめくるたびに事件の時の記憶が鮮明に思い出される。


あぁ、生きがいを失った生活、なんてものはどんなに辛いんだろう。


想像できないや。


そんなことを思っているうちに、授業は終わり、急いでカフェテリアに向かった。


病気のせいで息切れをしながらだったが、カフェテリアにつき、扉を開け、急いでみんなの元へ向かう。

いつも通り、黒木くんが椅子を引いてくれて、お礼を言った。


「アーヤ、遅いぞ！」


なんて言う若武の声。


「遅れてごめんね。」


もう当たり前の会話になっていた。


「まぁまぁ、若武先生。アーヤはカフェテリアまで遠いんだよ？許してあげよ。」


いつも優しい黒木くん。


この関係がこんなにもすぐ終わってしまうなんて。


あぁ、思わず涙が出そうになる。


「今日集合をかけたのはアーヤだ。用件を話せよ。」


若武がそう言うと、私は話を始める。


「今日、事件ではないんだけど、みんなに渡したいものがあって。それを渡しに来たの。」


そう、私が渡したかったもの、それは7色の菱形のストラップ。


7つの菱形を乗せられるプレートにストラップを置くと一つの模様になるの。


これは私がKZの一員だったっていう証拠になるから。

菱形の色は赤と青と黒と緑と白と紫とピンク。


私が思ったみんなの炎の色と一緒。


みんな、私からのプレゼントをすごく喜んでくれた。


そこで、みんなで記念撮影をすることにしたんだ。


私が持ってきたカメラで撮り、みんなのスマホで撮り、メンバーみんなと2ショットも撮り、帰りは送ってもらった。


私と友達になってくれて、楽しい思い出をありがとう、KZのみんな。



そう心の中でお礼を伝えた。

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