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新たな悲しみ ページ7

私は公園に向かって歩いた。


少し見なかっただけで、いつもの景色が嘘みたいに変わった気がする。



少しずつ変わってるんだな。

全てが。





しばらく歩いていると、公園に着いた。


今まであまり歩かなかったせいか、少し疲れたなぁ。




私は、ベンチに座り、辺りを見渡す。



その瞬間、ありえない光景が広がっていたのだ。






それは、探偵チームKZとフレンドが木の影で笑い合っているところだった。


でも、その輪に黒沢さんは居ない。





どういうこと?


どうして、犬猿の仲と言ってもいいほどのKZとフレンドが一緒に?




どうしようもない悲しみが胸に広がった。


そして、同時にこんな言葉が脳内に浮かんだ。





あれ、私、いらなくない?






だって、私が居なくなった途端、KZとフレンドは幸せそうに笑ってるんだよ?


私が今まで、KZとフレンドの仲を壊してたのかもしれない。







私のせいで、みんなが不幸だったんだ。


私さえ居なければ、みんな幸せだったんだ。



私の居場所なんて、どこにもないんだ。




悲しみに浸れている時だった。




ふと、家族を思い出す。






そうだ、私には家族がいる……。



過呼吸になりながらも、そう考える他はなかった。






幸い、KZとフレンドは私に気づいていない。


余程夢中で話しているのだろう。




邪魔をしてはいけないよね。




私は静かにその場を立ち去り、家へ向かった。





こっちには、私の居場所だってあるよね……。



そう信じ、私は家に入り、こっそりリビングを見る。


そして、また、さっきと同じように、悲しみに浸れた。









だって、そこには、私以外の家族が揃って机を囲み、笑っていたんだもの。


ママ達は、私が家を出たあとに、帰ってきたよう。





私が居る時は、全然そんなことしなかったのに。






私が居なくなると、みんな、こんなに笑うんだ。


逆に言うと、私が居ると、あんなに笑わなくなるんだ。







私はいつのまにか溢れている涙を手で擦った。





あぁ、私はどこに居ても邪魔者なんだ。


いらない人間なんだ。









ごめんなさい。









生まれてきてごめんなさい

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あき@草売り大魔王(プロフ) - むっちゃんさん» コメントありがとうございます!!そんなこと言ってもらえるなんて……一生家宝にしちゃいますよ!(?)更新はのんびりですが頑張ります! (2021年11月26日 16時) (レス) id: 8824d19027 (このIDを非表示/違反報告)
むっちゃん - 涙が止まりませんでした。これからも頑張ってください!! (2021年11月26日 2時) (レス) @page50 id: feee1d7f79 (このIDを非表示/違反報告)
あき@草売り大魔王(プロフ) - 菖蒲さん» コメントありがとうございます!!応援に応えられるように頑張っちゃいますよ!! (2021年9月9日 16時) (レス) id: 8824d19027 (このIDを非表示/違反報告)
菖蒲 - おもしろー!これからも、頑張れ(・v・)応援してますね! (2021年9月9日 10時) (レス) id: e522f808ef (このIDを非表示/違反報告)
あき@草売り大魔王(プロフ) - 桜さん» コメントありがとうございます!!感動だなんて……ありがとうございます!!とてもモチベーションが上がり、もっと書けそうです(?)更新頑張りまっす!! (2021年6月20日 19時) (レス) id: 8824d19027 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あき@草売り大魔王 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp  
作成日時:2019年12月26日 19時

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