堕天

エピローグ ページ48

「1…2…3



…999…1000…1001＿」


うん。やっぱり1001だ。

その事を改めて確認し、思わず口角が上がる。

「ニャー！」

「あ、入っていいですよ〜！」

部屋に入ったシャノワールが、呆れたように「ニャア…」と鳴いた。


「あはは…そうですよね…いつまで数えてんだ、って感じですよね…でも、凄く嬉しいので仕方が無いです！」

B様から貰った薔薇の花は、合わせて1001本。

1001本の薔薇の花の意味は＿”永遠に”。

しかも、この花束には特殊な加工がされてあって、ずっと枯れることが無いらしい。

まさに”永遠”。

そして、永遠とは時間も時間も超えて、果てしなく存在し続けるもの。

こんなの、嬉しくないわけが無い！


…私もB様のこと、寝ても覚めても永遠に愛してるからね。


「ニャ！」

その声にハッとし、思わず口元を抑える。

「もしかして、もうそんな時間ですか？！本当にすみません、今行きます！」

姿見を見ながら、慌てて髪を手ぐしで整え、服をピシッと伸ばした。






＿＿＿＿

「初めての人間界、とてもワクワクしますね！」

「えぇ！そうですね！」

初めての人間界。ふわふわと飛びながら町を見下ろす。

天界とも魔界とも似つかないその雰囲気は、ずっと見ていても飽きないに違いない。

それに、一人ひとりが妖しく輝いている。

言葉に上手く言い表すのは難しいけれど、表には出さないような裏の顔…それも、凄くドロドロとした慾に満ち溢れているような気がする。


「何だか、魔界よりも凄い鬼ヤバ動画がたくさん撮れる気がします！」

「そうですね！鬼バズ間違いなしってやつです！」


B様が"悪魔”という言葉がピッタリの、ニヤリとした笑みを浮かべて言った。

それを見て、私達も目を合わせてニヤリと笑う。

以心伝心で伝え合う。きっとみんな、同じことを考えているのだろう。


今、この瞬間。そして、これからの人間界での動画撮影の事を考えると、凄くワクワクする！！



「「ディスイズ、炎ターテイメント！！」」

「じー！」「ニャ！」




fin

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